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機動戦士ガンダム・インフィニットG
第十七話「悪魔の子」
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いるのやら……!」
と、腕を組んで千冬はため息をついた。
その後、教員のISらが海面に浮かぶ候補生たちを救出したらしく、全員命に別状はなかった。しかし、ISの損傷率は深刻なものである。
千冬は、悔しくも任務の失敗を感じた。しかし、いまだ目標の機影はこの宙域に潜んでいることから、まだ二度目のチャンスはあるとして政府から下る次の指令を待った。

明沙は、アムロの肩を担いで旅館まで帰ってきた。玄関で誰かを呼ぶと、明沙の声に
ふすまからカミーユが現れた。彼は、彼女につかまっているアムロを見て目を丸くした。
「アムロ、どうしたんだ?」
カミーユは、いつもとは違う尋常じゃない彼を見て、部屋で待機中のジュドーや一夏たちも呼んだ。
「おいおい? 大丈夫なのか?」
不安げにアムロをのぞき込む該。そんな彼の後ろには心配して見守る隼人がいた。
「明沙、アムロは一体どうしたんだ?」
ジュドーは、アムロに寄り添って彼を見る明沙へ訳を問う。
「……ちょっと、大きなショックを受けて」
明沙は、いくらクラスメイトだからとはいえ、周囲にアムロの過去を離したくはなかったし、アムロ自身もそれを望んでいるに違いないと思った。
「しっかりおしよ? アムロ……」
エルも、いつも厳しくアムロに接しているが、クラスメイトの顔なじみが急にこんな状態になったことで、彼への心配が募った。
「アムロ……」
ルーも、いつものような大人しげのある彼とは違うとして、彼の状態を見守り続けた。
「アムロさん……どうしちゃったんでしょう?」
リィナも、いつものように明沙を煙たがるアムロとは正反対の状態を見て、みんなと同様の不安を抱えた。
「……もしかして、アムロの父さんと束さんのことか?」
その中で、一夏は自分の中で心当たりのある話を思い出し、それを口にしてしまった。
「一夏君!?」
明沙は、つい彼の方へ振り向いてしまった。ジュドーは、そんな彼女の反応を見て、図星と感じた。
「明沙……アムロに何があったの?」
エルは、親友である彼女に問う。もちろん、ルーもこの状態は異常じゃないとして、最悪の場合、病に関係する状態じゃないかと思っている。
「でも、アムロが本当にそれを思っていなければ……」
カミーユは、そう言ってアムロの状態を今一度見た。
アムロは、壁にもたれて座り込み、下を向き続けては悲しい目をしている。何事も喋らずに動かない。ただ、悲しい目をしている表情だけはなんとも苦しい顔をしていた。
意識がないわけじゃない。息はある。だが……生きている様子には思えない。まるで、気力というよりも「精神」を失くしたかのようだった。
「確かに、今はそっとしておいた方がいい……」
一夏に付き添うマリーダも、そんなアムロの状態を案じた。周囲も、やはりそのほうがいいだろうと、明沙か
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