第15話 後宮入り?
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なそうな顔をしながら話しかけてくる。
「エリザベート、お前に皇帝陛下から、侯爵位を与えると話が来た」
何と仰いました兄様、皇帝陛下が私に侯爵位を与えると言う事は、幾ら私でも判ります、寵姫になれというのですか、確かに昨年の宴で陛下と1時間以上お話ししましたが、それが元因でしょうか、私にはマチウス様が居るのに、彼は私の心の中に生きているのですから、兄様に断って貰います。
「兄様、その様なご無体お断りしてくださいませ」
「そうは言っても、既に陛下の勅命のようなモノだ」
「人妻を寝取るのが陛下なのですか」
「不敬な事を言うでない」
「私は嫌です」
散々兄様に物を投げつけました、兄様はじっとして当たり続けていました。
その時判りましたわ、兄様もお辛いのだと、けど嫌な物は嫌でした。
それからしょっちゅう兄様の説得は続きましたが、私は頑として断り続けました。
けれども、卑怯な事に私とマチウスさんの婚約が元から無かった事にされてしまいました。あの時は本気で兄様を殺したい気分になりました。
けれども、マチウスさんの兄上フォルゲン伯爵が訪ねていらして、マチウスさんの本当の姿を見せてくれたのでした。
私は目と耳を疑いました、マチウスが家のメイドといかがわしい行為に及んでいる映像や他の貴族令嬢を弄ぶ姿が映し出されていたのです。私は己の浅はかさに天を仰ぎました、なんて私は子供だったのであろう、オママゴトのような恋にあこがれながら、実際はとんでも無い男に捕まっていたと言う事を、私は知ってしまったのです。
フォルゲン伯爵は大変神妙な顔で頭を下げられ謝罪なさいました。『エリザベート殿には取り返しの付かない事をして、申し訳無い』と土下座為さいました。此処まで見てしまった以上、マチウスに恋い焦がれていた馬鹿な私は遙か彼方へと消え去っていきました。
私の人生を危うく滅茶苦茶にされるところだった、カール・マチウス・フォン・フォルゲンは死んで清々したと今では考えられる様になりました。此からの人生は皇帝陛下の寵姫として生きる気持ちになりました、陛下は多くの寵姫がいらっしゃいますが、請われて愛して頂けるのであれば、それも運命と受け止める事に致しました。兄様は貴族の義務だという論理で私を説き伏せたと思っているようですけど。
此から後宮に入り私は、アインツベルン侯爵夫人として生きる事に致します。
帝国暦482年7月1日
■オーディン さる人物
陛下が又新しい寵姫を後宮に迎え入れた、やっぱりあのグリューネワルト伯爵夫人じゃ嫌気がさすんだろうな、まさにやりたい放題の悪外戚だものな、ああ言うのは早めに処分しないと銀河帝国全体に害悪が蔓延しかねないのだから。願わくば新たな寵姫アインツベルン侯爵夫人がまともな方で
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