初めての海
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クシティーで見たよりも多くの人々に、イヴは興奮で顔を紅潮させている。
「セフィリアさんは海に来たことあるかい?」
「海に来たことはありますが、泳いだことはありません」
クロノスの戦士となるよう産まれながら育てられてきた彼女には、娯楽の経験がほぼ無いのだろうと光太郎は感じた。戦闘経験や知識以外は普通の子ども以上に初めて触れるものばかりなのだろう。
「ということは泳ぎ方から教えた方がいいかな? 別に泳げなくても楽しめるとは思うけど」
「いえ、せっかくなので覚えてみます」
「こ、光太郎、私も!」
「そうだな。それじゃ、まずは水着を買って泳ぎの練習。その後昼食にしよう」
海の家でイヴとセフィリアは水着を眺めるが、どれが良いのか判断できない。光太郎に選んでもらおうとしたのだが、光太郎は顔を紅くして慌てて自分の海パンを買い、更衣室に飛び込んでしまったのだ。
「イヴ、あなたにはこのすくーる水着、というのが似合いそうですよ。子ども向けのようですし」
「…セフィリアさんならこの花柄でどうですか。おばあさんみたいでお似合いです」
「………」
「………」
「お連れさん、助けて!」
2人の険悪な雰囲気に、思わず店員さんが助けを求めたのだった。
その後、店員のオススメでイヴはワンピースタイプの水着を、セフィリアはスタイルが良いということでビキニタイプの水着を購入することになった。
それぞれ着替え終え、イヴは光太郎に水着姿を披露した。
「光太郎、どうかな?」
「ああ、似合ってる。とても可愛らしいぞ!」
「良かった。光太郎もカッコいいよ」
「光太郎さん、店員に言われた水着を購入したのですが、これで良いのでしょうか?」
光太郎の背後から着替えを終えたセフィリアがやってきた。光太郎が振り向くとそこにはビキニ姿のセフィリアが立っていた。胸元を強調するビキニに目を奪われる光太郎。
「水着って下着みたいですよね。これで人前に出るなど、他の人は恥ずかしくないのでしょうか」
「そ、そうですね」
光太郎は必死に視線を外すが、意識してしまうとなかなかその姿が頭から消えない。そんな光太郎にムッとしてイヴが光太郎の手を引っ張った。
「光太郎、早く泳ぎを教えて。あの人より早く覚えるから」
「お、おい、イヴ。そんな引っ張るなよ」
セフィリアのビキニ姿に、ビーチの男たちも光太郎と同じように目を奪われていたのは、男として仕方なかったのかもしれない。
そんな3人を、遠くで少年がじっと見ていた。
◆◇◇◆
その頃とある世界のとある倉庫で…。
「ライダーガヨンデイルキガスル」
と何か
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