差し出される星と時の手を
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ス。我々星の使徒は、そのクロノスを壊滅させ、新しい世界を創り上げるのを目的としていマス」
秘密結社クロノス。その単語を聞いて、光太郎の脳裏には暗黒結社ゴルゴムの存在が浮かび上がる。
そしてシャルデンは右手を光太郎に差し出した。
「アナタの力は申し分ナイ。我々の同志となり、一緒にクロノスを討ち滅ぼしましょう!」
光太郎は差し出されたシャルデンの手を見やる。クロノスという組織は初耳であったため、ゴルゴムと同じような響きはあるものの悪であると断ずることはできない。それに、目の前の2人の目は、目的の為なら人の命を奪うことも躊躇しないであろう闇が垣間見えた。
光太郎はシャルデンの手を払う。
「俺の正義は俺が決める!」
「そう…デスか。いずれまたお会いすることもあるでしょう。その時には良い答えが頂けることを願っていマスよ」
そう言い残し、シャルデンは去っていく。キョーコも光太郎達に手を振りながら後をついていき、この場には屍となった殺人鬼と光太郎達。そして先程までの戦闘の激しさがウソだったかのような静寂だけが残されていた。
街で噂になっていた殺人鬼が死んだ。
その事実は一晩で街中に広がり、翌日には今までの閑散さとは比べ物にならないくらいに人が溢れている街並みがあった。それを窓から見下ろすイヴは目を丸くしていた。今までこんな大勢の人を見る機会がなかったのだろう。
そんなイヴを見て、この街の市長は「これも君たちのおかげだ」と礼を述べた。
光太郎達は現在、ここルーベックシティーの市長の元に呼ばれていた。あの後警官が駆けつけ、ギャンザの屍を引き渡した。その報はすぐに市長であるカール=ウォーケンに伝えられ、市長として是非礼を、と宿にまで迎えを寄越したのだ。
そしてこの場にはトレインとスヴェンも来ていた。カールの話によると、トレインとは昔馴染みらしく、警察では歯が立たない今回の事件解決に頼み込んだらしい。しかしせっかく飛んできたにも関わらず、いざ到着したら全てが終わってましたよ、という有様だった。
「わざわざ来てくれたのに、済まなかったな。トレイン」
カールが謝罪する。しかしトレインは全く気にする素振りを見せない。
「気にすんなって。事件が解決してんなら良いことじゃねえか。俺はこの上等なミルクだけでも満足だぜ?」
ニカッと笑うトレイン。その姿を見て、カールは「変わったな」と微笑した。
そしてカールは改めて光太郎に向き合う。
「君には事件解決の報酬を個人的に支払いたいと思う。1500万イェンを用意した。受け取ってもらえるかな?」
「1500万イェン!?」
背後でスヴェンが目玉を飛び出させそうな勢いで叫ぶ。後で話を聞いたが、スヴ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ