差し出される星と時の手を
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越せ…! 今度こそ…あの野郎をブチ殺す!!」
その言葉に光太郎は身構えるが、シルクハットの男は淡々と告げる。
「…残念ですが、あなたに次はありまセンよ」
「なんだと…?」
ドクン
その直後、ギャンザの体に異変が起きた。
常人の倍以上あった筋肉がみるみる縮んでいく。
「な、なんだ…お、俺の体が…俺の筋肉が…」
「力を過信しすぎましたネ。我らの話も碌に聞かず力を酷使し過ぎた結果デス」
「ふふ、力を使い過ぎたおじさんに待つのは死お わ か れ?」
「う…うぎゃあああああぁぁぁ…!!」
ギャンザは断末魔の叫びを残し、瞳の光を消失させて命を散らせた。
シルクハットと女子高生は、地に伏す殺人鬼から既に興味を失っていた。振り返り、光太郎の姿をじっと凝視している。
「どういうことだ! その男と貴様たちの関係はなんだ!?」
「この男の力は我々が与えた。ただそれだけデスよ」
光太郎の疑問にシルクハットの男が答える。
「なにっ!」
「しかしアナタには感謝しているのデスよ? この男は大切な力を己の欲望の為に暴走させていた。そんな男を同志に加えても、いずれは足を引っ張る存在になっていたでしょう」
「そうなんですよー。だから代わりに倒してくれたお兄さんにはお礼をしなくちゃですねー」
そう言って女子高生はトコトコと無造作に光太郎に近寄ってきた。警戒を緩めない光太郎だったが、女子高生が起こしたアクションは全くの想定外なものだった。
唇を近づけて「お礼に熱いチューを」と目を閉じて迫ってきたのである。
慌てて女子高生の顔を掴んでこれ以上の接近を防ぐ光太郎に、「駄目!」と光太郎の体を引っ張るイヴ。
そんな修羅場にシルクハットの男は溜息をついた。
「キョーコさん、それくらいにしておきなさい」
「ハーイ。お兄さん、また次の機会にね?」
「絶対駄目!」
シルクハットに諭されて、離れていく女子高生に断固拒否するイヴであったが、光太郎は未だ顔を赤くして動揺していた。ギャンザの拳よりも強力であったかもしれない。
「自己紹介がまだでしたネ。私の名はシャルデン=フランベルク。星の使徒の一員デス」
「私はキリサキ=キョーコ。同じく星の使徒っスよー」
シャルデンとキョーコはそう名を明かした。しかし聞き覚えのない言葉があった。光太郎は警戒を緩めず疑問を口にする。
「星の使徒とは何だ?」
光太郎の問いにシャルデンは丸形サングラスを光らせた。
「世界を創り変えるもの、デスよ。この世界はクロノスが管理支配していることをアナタはご存知デスか?」
「クロノスだと?」
「秘密結社クロノス…。それがこの世界を裏で支配している存在なのデ
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