暁 〜小説投稿サイト〜
転生・太陽の子
転生! 太陽の子!
[1/3]

[1] 最後 [2]次話
「はい、こんにちは」

ボクの目の前に立つお爺さんが、淡々と説明を始める。お爺さんは神様であると自己紹介すると、ボクを転生させるという。

「ボク…死んじゃったんですか? 何も覚えていないのですが…」

「記憶がないのは、次の世界に影響がないようにする配慮じゃ。それで、お主に転生してもらう世界はア・ニメマンガーというワシの創り上げた世界での、そこの住人になってもらいたい。かといって何か使命を与えるわけでもない。好きに生きりゃええよ」

続いて神様は手帳を開く。

「お主は生前善行をかなり積んでおるのぉ。それならお主には特典をつけておこう。何か次の世界で身につけておきたいもの、欲しいものなどはあるかの?」

いきなり聞かれても悩んでしまう。善行を積んだから特典と言われても、生前の記憶が無いのだから他人の賞を渡されるような居心地悪さがある。それを伝えると「どんだけ善人なんじゃ」と神様は苦笑する。

「本当は生前の事を話すのはマナー違反なのじゃが、お主の死因は人を助けようとしたものによる。しかし力が足らなかった為、お主は人生に幕を降ろすことになってしまったのじゃ。その様子だとまた同じことを繰り返しそうじゃし、強い人間への転生を適当に見繕っておくよ」

「えっと…ありがとうございます?」

そしてボクの意識はそこで途切れた。





再び意識を取り戻すと、そこは公園のベンチの上だった。ボクは確か…神様から転生させてもらったはず。てっきり赤ん坊から始まると思っていたのだが、自分の体を見るに、成人男性のようだ。生前の自分が何歳なのかも覚えていないが、今は自分の名前を知ることの方が先決だ。

体をあちこち探り、財布を見つけた。所持金はとても心許ない。というより、見覚えのない紙幣や硬貨が入っている。ここは日本じゃないのかな。免許証は…あ、あったあった。
って、ヘリコプターの免許もあるのか。一般常識の知識は覚えていたが、普通は持っていない免許だ。いや、そんなことより今は名前を確認しないと。





『南光太郎』

それがこの世界での自分の名前だった。





光太郎として生き、一週間が経った。
名前からして日本人なのだが、なぜ外国にいるのか、ビザは大丈夫なのかという疑問はあったが、酒場で聞いたところ、どうやら自分は掃除屋というものらしいことが分かった。掃除屋といっても清掃員のことではなく、犯罪者を捕らえることを目的とした職業であり、犯罪者をゴミに喩えれば掃除屋というネームも的を射ている。この掃除屋免許スイパーライセンスがあればビザの心配はいらないようだ。

神様から転生させてもらう時に言われていた特典だが、この体は確かに強いものだった。動体視力や身体能力も、並の犯罪者程度であれば余裕
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ