転生! 太陽の子!
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をもって捕らえることができていた。
食い逃げ常連の犯罪者程度であったが、捕らえたことによる報酬を受け取った光太郎は日常の足として利用しているバイク、スズキRGV250Γに身を預け、寝床として厄介になっているいつもの公園に到着した。
掃除屋としての報酬はもらっているが、正直光太郎はそこまでお金に執着がなかった。生来の性格もあるのだろうが、食べていけるだけの分と、バイクの維持費があればいい。その為に余った報酬はそこらに寄付しているのだ。
公園ではいくつかの家族連れが楽しそうにしている光景が見られた。そんな光景を見て、今の自分に家族はいるのかが気になった。中身は全く違う人間なのだが、いつまでも連絡をとらないといらぬ心配をかけてしまいそうだ。そちらもそのうち調べていくとしよう。
そんなことを考えていると、不意に視界に入ってきた女の子がいた。10歳くらいの子だろうか。周りの家族連れの楽しそうな雰囲気とは異なり、一人ぼっちで立ち尽くしている。
光太郎は思わずその女の子に声をかけた。
「キミ、一人かい? お父さんとお母さんは一緒じゃないのかい?」
「…おとうさんと…おかあさんって…なに…?」
光太郎と視線を合わせる女の子は無表情でそう聞いてきた。どの世界でも親を失った子供は存在する。この子もそういった子なのかと光太郎は涙で目を潤ませた。
「お父さんとお母さんがいなくても、幸せを掴むことはできる! 不幸な境遇に負けるんじゃないぞ!」
「……?」
励まし力付けようとする光太郎だが、女の子は理解できない様子で暗い瞳を向け続けている。
女の子は近くを走り抜けていった子どもに視線を移した。子どもは親から渡されたお金で、屋台でアイスクリームを購入していた。子どもは美味しそうにアイスを舐めている。
女の子はそれから目を離さない。
「キミもアイスが食べたいのかい?」
「…あいす?」
「まさか、アイスも食べたことがない…? くっ、待っててくれ!」
アイスクリームの存在も知らないという女の子に、光太郎は急いでアイスクリームを2つ購入し、片方を女の子に手渡した。
「食べてみなよ。美味しいぞ!」
光太郎が食べている様子を見て、女の子はゆっくりとアイスを舐める。そしてすこしだけ目を見開いた。
「つめたい…おいしい…」
「それは良かった! 立ったまま食べるのもなんだし、そこのベンチに座って食べようか」
そう促される女の子は抵抗する素振りもなく、素直に従う。
「美味しいだろう? 世界にはもっと美味しいものがたくさんあるんだ! キミもいつかいろんな場所にいって、もっと美味しいものを食べに行くといいよ!」
光太郎は熱弁する。それを聞いている女の子は寂しげな
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