暁 〜小説投稿サイト〜
異世界に転生したら、強くてニューゲームでした。(編集中)
天使と燕尾服
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
『カイくんの転生する異世界には、人間族、獣人族、妖精族など、多様な種族が存在しています。その中から、ランダムに転生することになります。
?転生後の種族は選ぶことはできませんが、こちらからのせめてもの償いということで、あなたの容姿や魔力、知力についてはこちらで少しばかり干渉させていただきます。

しかし、干渉できる範囲は少なく、転生先の家庭は選べませんので、お知りおきください。

言語は下界とは異なりますので、不便のないよう、初期スキルとして添付しておきますね。』

僕にそう説明しながら、天使は地面(?)に、何か記号を描いていた。説明と同時に書き終える。複雑な形をした文字のようなものが丸く円状に連なっているそれは、アニメやマンガで見ていた魔法陣そのものだった。

気になって見ていると、急に光りだす。最初は淡く光っていたんだけど、だんだん眩しくなった。最後に、一瞬だけものすごい光りを放って、輝きを失う。その後、そこに残っていたのは、綺麗な魔法陣じゃない。底なしに感じられる、大きな穴だった。ーー穴?

見ているものが信じられなくて、僕は天使に視線で訴えた。

『………?(微笑)』

美しい微笑でスルーされる。え、これ何?話の流れからして、多分僕が落とされるか、飛び込むかするんだよね!?心の中に浮かんだ叫びに、「穴に入る」という選択肢しかないことに気づいて、その場で頭を抱えた。

『どうしました、カイくん?』

いかにも心配そうなその顔を見上げ、睨んだ。背と体格の差がありすぎるせいで、多分効果はないんだけど、僕が不機嫌なのは伝わったらしい。

『すみません、説明がまだでしたよね。転生は、この穴を使って行います。穴の下には、転生先の世界の座標が広がっていて、そこからランダムに飛ばされます……もしかして、怖いんですか?』

穴を使って転生する、と聞いて、僕は本格的に頭を抱えた。地面(?)にうずくまる。白い床は、近くで見ると少し透明で、頼りない。そこに、不安そうな顔をした僕が映るのを見て、立ち上がった。笑って誤魔化す。かっこ悪いし。

「い、いや?怖いとか、そんな訳ないじゃん?(汗)」

軽く口笛を吹く感じで嘯く(うそぶく)。僕としては必死なんだけど、やっぱ天使って反則だ。変なノートを取り出して、ページを開いた。え、それ、今どこから出した?

『ああ、高所恐怖症でしたね』

多分、そのページは僕のプロフィールなんかが書いてあるんだろう。こいつ相手に誤魔化すとか、無理な話だった。人間じゃないもん。天使は、イケメン顏にはあんまり似合わない仏のような微笑を浮かべて、なだめるように言う。

『ご心配なく。転生するときには眠るようになってますから。』

まるで親と子供だ。腹が立たないこともなかったけど、仕方ない
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ