暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第36話 『ネムノキ』
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そこからはじき出された。


「キャア!」


 とっさの事とケースを両手で抱えていた事が災いし、身体をよじり回避するしかできなかった。
 足元に着弾し衝撃でケースを手放してしまう。
 あがる土煙の中から何かがこちらに向かってくるのがわかったが、キャロは準備が間に合いそうになく目で追おうしかなかった。
 しかし、すかさずエリオが突進する。


「ハァッ!」


 その何かとぶつかり二つがはじかれる。


「エリオくん!」
「さがってて!」


 キャロはエリオを気遣うが彼はすぐに身体を張り、その何かに対して彼女の前に立った。彼が対峙する間にキャロは後ろに気配を感じ振り返るとケースを抱える少女が立っていた。


「ダメ!」
「……邪魔」


 向かおうとするキャロに対しその少女は片手をかざし意識を集中すると、加減のない魔力を収束させ、近距離から遠慮なくキャロに収束砲を撃ち放つ。
 すかさず、キャロはバリアを張るが、近距離で収束力の高い砲撃に耐えることはできず、勢いに破れエリオのほうへ吹き飛ばされた。


「――ぐっ! うわぁ!」


 エリオはキャロを抱え柱への直撃を避けようと抱きかかえながら自分が彼女と柱の間になり、背中からぶつかる。勢いは強く石の柱はへこむ。
 黒い身長のある何かは倒れこんだエリオに標的をあわせるが、それに気づいてかスバルが援護に入る。


「オオォォ!」


 その何かはスバルの初撃を回転によりかわし、後方へいなした。隙を突いてかギンガも向かい、相手は避けることができず防御に回るも重い一撃で後ずさりする。
 スバルは体勢を立て直し、


「そこの女の子! それ危険なものなんだよ? さわっちゃダメ、こっちに渡して!」


 呼びかけるが少女は気にかける様子もなく歩き出そうとする。だが、


「ごめんね、乱暴で。でもね、これ本当に危ないものなんだよ」


 幻術魔法で姿を消していたティアナがクロスミラージュを少女にあてがい、諭すように話しかける。


[スバル、あいつ……]
[うん。隊長たちがホテルでネコさんから聞いたやつだ]
[というと、この子は、一連の――ッ!]


 目配せしながら念話をしているとき、突然閃光が走った。音と光を特別大きくした支援魔法のようだ。全員あわてて目を閉じるが間に合わず、暗闇という事もあってか人体に与える影響が大きい。それでもなお、ティアナは光がおさまってからすぐ少女に銃口を突きつけるが、


「キャアアァ!」


 その何かに蹴られ弾き飛ばされた。しかし、照準をずらす事はせず昏倒するくらいの魔力弾を少女向けて発砲する。


(――身代わりに!?)


 だが、それ
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