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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica3-Aマリアージュ事件〜Encounter〜
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騎士トリシュタン、騎士アンジェリエ・・・!?」

「新手か」

バイザーの娘がランスター執務官から後退することで距離を空ける。このまま逃がすわけにはいかない。事後承諾になるけれど、待機形態である十字架型のイヤリング・“イゾルデ・ツヴァイト”を、双剣形態の「フェヒターフォルム!」で起動させつつ、ショートワンピース、ショートジャケット、オーバースカート、スパッツという騎士甲冑姿へと変身。

「ジークファーネ・ヘルト!」

アンジェのバレッタに付いている宝石――“ジークファーネ・ヘルト”の待機形態が発光。腰の方には大きなリボンがあしらわれた、裾が前後共に燕尾なノースリーブのロングジャケット、スキニーパンツ、エンジニアブーツという騎士甲冑姿に変身。左手に携えるのは2mのポール。片側の先方30cmだけが一回り太く、その先端には槍の穂が付いていて一見して槍に見える。

「ランスター執務官! 確保に協力します!」

「え、あ、よろしくお願いします! そいつ、自爆をするので注意してください!」

口頭だけれどしっかりと協力し合うことを確認した。基本的に執務官が事件捜査の責任者になるから、ランスター執務官と協力を結べば問題は無いはず。しかしそれにしても「自爆・・・!」をするとなると・・・。

「人ではない、か」

「おそらく!」

「アンジェ!」

「ええ!」

見た目は人でも自爆するような奴となると、かのプライソン戦役の投入されたLASを思い起こさせる。けれど今目の前に居るバイザー娘が、新手か、と言葉を発したのは耳にしている。知性ある人型兵器であり、自爆もする。教会図書館で、似たような記述を読んだことがあるような・・・。

(考えるのはとりあえず後。今は・・・!)

一足飛びでバイザー娘へ突撃する中・・・

「グリッツェンフェッセルン!」

“ジークファーネ”の一回り太い部分より朱色に輝く光の帯が6枚と展開され、私を追い抜いてそのままバイザー娘を拘束しようとしたけど、彼女は近くに転がっていた机や椅子を拾い上げ、迫り来る帯に投げつけた。結果、「あ・・・!」帯がバイザー娘ではなく机と椅子に絡みついた。

――封縛一閃――

「せいっ!!」

残念だけどそれに構わず私はバイザー娘に最接近して、環状魔法陣が展開されている双剣・“イゾルデ”を振るう。机などを投げていた体勢のままだったバイザー娘が回避に動くけれど、それより早く切っ先を掠る程度に当てる。

「っ・・・ぐぅ!?」

すると環状魔法陣が剣身からバイザー娘へと移動し、急速に狭まって彼女を直立姿勢で拘束した。両腕がピッタリ体の側面に引っ付いていることで、体のバランスが取りづらいのかその場に跪いた。

「ランスター執務官。確保完了です」


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