海に靡かれた先には
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ていられず、早く寝たかったアルマを無理やり起こし続けていたらしく寝れていなかったのだ。
「……ん。」
各々が好きな格好で楽しんでいたがアルマの格好はと言うと……。
黒のズボンに黒のパーカーを着て、身長がある割には細身、でもちゃんと筋肉が付いているという誰しもが憧れる体型。
更に元々カッコイイ容姿と言うよりも、少し幼さがあり寝ている姿は普段はカッコ良さが勝っているものの完全に幼さが勝ち、年齢よりも若く見えている。
そんな人がビーチパラソルの下で、日光浴をし寝ていたら通りかかった人たちはどう思うだろう。
「待って、あの人カッコ良くない?」
「えー、可愛いだと思うよ?」
「1人なのかしら?」
「話しかけてくればいいじゃん!」
という会話が行われ、近くにいた女性が寝ていたアルマに近づく。
「あの…」
「ん……はい?」
声をかけられた事によって起きたアルマは、目を擦りながらも返事をした。
「少しお時間宜しいですか…?」
「あー、多分大丈夫だとは思いますけど。」
そう返事をすると女性は後ろにいた更に複数の女性を手招きし会話をする事になってしまった。
その頃、海で遊んでいたルーシィと景色を楽しんでいたエルザは何やら集まって会話をしていた。
「ルーシィ。」
「何、エルザ?」
「あれを見ろ。」
そう言ってエルザが指をさしたのは見知らぬ女性と楽しげに話すアルマの姿。
「うん、何となくわかったわ。」
「行くぞ。」
「(やっぱりそうなるのよねー…!)」
エルザは優しそうな表情を浮かべて、アルマの元に近づく。
「アルマ。」
「ん?どうし………」
普段絶対に聞くことがないエルザの超可愛い子の声と、優しそうな表情をみてアルマは固まった。
──やばいやばいやばいやばいやばい、理由は分からないが絶対やばい…!
「ごめんなさい、その人は私達の連れなんです。」
「そろそろ移動する事になったのでいいですか?」
ルーシィは普段よりも優しい口調でエルザと一緒に言う。
それをみた女性達は綺麗で美人の女性がいると認識したのか、すぐにアルマの傍から離れた。
「…………………。」
「アルマ。」
「ひゃ、ひゃい……!」
元に戻ったエルザに怖がるアルマ。
「困った時は私たちに一声かけろ、助けはする。」
予想外の事を言われたアルマはポカーンとしている。
ルーシィがそんなアルマを見て、フォローに入った。
「エルザ、沢山の知らない女性に話しかけられてアルマば大丈夫なのかって心配してたの。」
アルマはやっと理解したのか、くすくすと笑い出した。
「な、何笑っている!」
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