第7話 改訂版(2019/04/30)
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
【視点:ガビル】
我輩の名はガビル。誇り高き蜥蜴人族の戦士長であり、蜥蜴人族の次期首領となる者である。
現在、我輩は側近ともいえる者達と共に蜥蜴人族の現首領である親父殿の命で、子鬼族の村々を巡っている。
何故、誇り高き蜥蜴人族が子鬼族村を巡っているかというと、20万にも及ぶ豚頭族の軍勢が蜥蜴人族の領域へと侵攻しようとしているからである。
我ら蜥蜴人族の戦力が1万に対して、豚頭族の戦力は20万と彼我兵力差は1対20。その戦力差を少しでも解消する為、親父殿は子鬼族共を戦力に加えようと考えている様である。
そして、我輩は子鬼族村を巡っている時に子鬼族共から封印の洞窟付近に新たな子鬼族村が作られたという話を聞き、態々封印の洞窟の近くまでやって来たのである。
……そう、封印の洞窟近くまでやって来たのであるが、我輩は疲れているのだろうか?封印の洞窟へと近付いて行くにつれて我輩達に巨大な壁が迫って来ている様に見える。
「………子鬼族村巡りに疲れたのだろうか?何故か封印の洞窟に近付くにつれ、我輩達に巨大な壁の様なものが迫って来ている様に見える」
「ガビル様、その壁なら俺達にも見えてるぜ」
「見えてるー」
「封印の洞窟付近に壁があるなど、聞いたことがないが……」
部下達の話を聞く限り、我輩が疲れで壁の幻を見ている訳ではない様である。しかし、あの壁は一体何であるか?今まで見たことも聞いたこともないのである。そんな我輩の疑問は壁へと近付いて行くことで判明するのである。
「あれは……、門か?」
「ということは、あの壁は人間や亜人などの街で見られる城壁というものか?」
城壁。その様なもの、今まで巡った子鬼族村には存在などしなかった。どうやら、あの子鬼族村の統率者はただの子鬼族ではない様だ。
もしかしたら、人鬼族がいるのかもしれぬ。または他の子鬼族村より子鬼族の数が多く、建造できたのかもしれぬ。
兎に角、統率者がどの様な存在であれ、我輩の方が立場は上であるという印象を与えねばならんな。
「すまんがあの村に先行し、我輩が使者として訪ねてきた旨を村の者に伝えて来てくれんか?当然のことだが、村の統率者に会いたいということも一緒に伝えてくれ」
「わかったー」
我輩が部下の中で一番愛嬌のある者にそう告げると、部下は子供の様な返事をして、門のある所ま
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ