第14話 皇帝との接近遭遇
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帝国国歌の荘重な音楽が耳朶を打つ。そして参列者は頭を深々と下げる。
ゆっくりと頭を上げると皇帝フリードリヒ四世が豪奢な椅子に座っていたのです。
それから、参列者が順番にご挨拶に行きます。私は末席なので最後なんですけどね。それまでは仕方ないので大人しく陛下や参列者の反応を見ています。
陛下はやはりロリコンなのか、若い令嬢との話は長いですね。
ハルテンベルク伯爵令嬢エリザベートさんなんか凄く長いですよ、確かそろそろマチウスが処分される頃でしょうから、此から地獄の日々に成るのですから、此が最後の笑顔かも知れないな。
ヒルダも長めですけど、エリザベート程じゃないですね。
やっと私の番です。
侍従が私の説明をしてくれます。
「ファーレンハイト男爵令嬢ラミディア様です」
「皇帝陛下におかれましてはご機嫌麗しく」
ご挨拶すると皇帝陛下が、眼を細めて鷹揚に挨拶をしてくれます。
「御苦労じゃな、そちの噂は聞いておる、此からも頑張るように」
「御意」
えっ。此だけですか?逢ってから1分も経ってないんですけど、エリザベートさん、20分も喋ってましたよ。伯爵家と男爵家の差ですか、そうですね。まあ、顔覚えて貰うだけでOKですけどね。
私が最後だったので、陛下は又エレザベートさんを呼んで話してますよ、狙ってるのだろうか?
まあ、関係ないですけどね、又ご飯を食べましょう。
誰か来ましたね、全然知らない方ですね。何処のモブだろうか?
「其処のお嬢さん、私と一曲踊って頂けませんか?」
うげ、ナンパだよ、姿形は標準だけど、面倒なんだけど、フレーゲルとかじゃなきゃ仕方ないか。此も人付き合いの為ですね。
「私ですか、余り踊りは上手くありませんの」
「私がエスコート致します」
「判りましたわ、お願い致します」
そうして踊りをしてるんだけど、旨いなこの人、よほどの良い先生が付いているのかな?私は相手の足を踏みそうで冷や冷やですよ。そう言えば何故か踊っていると周りの令嬢から嫉妬の目で見られるんですけど、この人ロイエンタール並みの誑しなのかな?
「ありがとうございました、楽しかったです」
「いえ、私も楽しゅうございました」
「又お会いしたいものです」
「機会がございましたら」
社交辞令ですからね、それにこういう時は名前を言い合わないのが礼儀ですからね。
分かれましたよ。バイバイ誰だか判らないプレーボーイさん。
こうして皇帝陛下の顔見せだよね?は終わったのだ。
■オーディン ノイエ・サンスーシ 黒真珠の間 ある人物
銀髪の少女の名前が、ファーレンハイト男爵令嬢ラミディアだと言う事が陛下の謁見で判った。私は不思議になるほど興味のわいた彼女に近づき、踊りをエスコートしたいと頼んだ所、少し考え
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