第四幕その八
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「そして王宮にいるから」
「人と人の出会いはですね」
「神様が動かしているのよ」
「オズの国でもですね」
「オズの国の神々がね」
「そうなんですね」
「全てがね」
何といってもというのです。
「神様のされていることなのよ」
「結局人がわかること、出来ることは少ないんだ」
かかしは右手の人差し指を立ててこの言葉を出しました、見ればもう皆歌や踊りからリズムは消えています。
「どんな賢い人、立派な人でもね」
「そうなんだよね、人間はね」
木樵も腕を組んで言うのでした。
「出来ることって少ないんだよね」
「誰でもね、だから出会いなんて」
ジュリアのしみじみとした口調は変わりません。
「人ではわからないわ」
「偶然と思っていても」
「そう、それは神の御業よ」
ジャックにもお話しました。
「まさにね」
「そういうことだね」
「そして私達もね」
「こうして一緒にいるんだね」
「そうなるわね、けれどね」
「けれど?」
「いえ、踊って歌っていたから」
だからだというのでした。
「今日はいつも以上にお腹が空いてるわね」
「そうですね、確かに」
「いつも以上にです」
「お腹が空いてます」
「もうお腹ぺこぺこです」
「夜になったらもう」
五人もこうジュリアに言います。
「今夜はお腹一杯食べたいですね」
「お腹に溜まるものを」
「そんな気分です」
「果たして何を食べるのか」
「それも問題ですよね」
「ええ、本当に何を食べようかしらね」
笑顔で言うジュリアでした。
「一体」
「ううん、ふと思いついたけれど」
ここでモジャボロが出したメニューはといいますと。
「ハンバーガーはどうかな」
「ハンバーガー?」
「あれを色々な種類を一杯出してね」
そうしてというのです。
「食べたらどうかな」
「そうね、ハンバーガーならね」
ジュリアはモジャボロの言葉に頷いて言いました。
「沢山食べられて」
「お腹に溜まるね」
「そうなるわね」
「それじゃあね」
「ええ、わかったわ」
確かな顔になってです、ジュリアはモジャボロに答えました。
「夜はハンバーガーにするわ」
「そうしようね」
「そしてね」
「そして?」
「ハンバーガーだけじゃ足りないから」
だからというのでした。
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