聖者の右腕W
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優秀な死霊術師にしかできない禁術のはずだ!」
「ま、俺にもその才能があったつー話だろ」
「アイン!お前何したんだ??」
「ここら一帯の神気を一時的に消した!雪霞狼も使えんがその眷獣も今はお前の攻撃が通る!」
「アスタルテ!何としても攻撃を防ぎなさい!」
「そこらの眷獣と人工生命体程度に第四真祖の相手が務まるかよ」
アインの宣言通り、薔薇の指先は古城の攻撃をその巨体のせいで避けることも叶わず獅子の黄金の電撃をモロにくらってその場に轟音を立てながら倒れた。
「さて宣教師、お前さんはこれからどうする?頼みの綱だった眷獣は倒され、こっちにはとてつもない戦力が残っている」
「まだです。我が宿願を果たすまではーーー」
「それとあの腕だけどな。多分今回のドンパチはすぐに明るみに出て絃神島の行政機関が正式に返還すると思うぞ。ここで戦いを続けてもあんたにはデメリットしか返ってこない。なら少しでもメリットを多い選択をするのは当然じゃないか?」
「そう・・・ですね。私の戦いは・・・ここで終わりです」
「冥福を祈ってるぜ、オイスタッハ」
「死人扱いとは、これまた」
一連の会話を交わすとアインはオイスタッハに背を向け、古城と雪菜の元へと歩いていった。
「2人ともお疲れさん」
「アインさん・・・なんて危険なことをやらせてくれたんですか?」
「げ、現場の判断」
「そういやお前が使ったあの術はなんなんだったんだ?」
「宣教師が言った通り死霊術師の禁術だ。あれを大量に解放してあたりの神気を手当たり次第に喰ってもらったんだ」
「だからなんで鍛治師であるお前がーーー」
「先輩、アインさん、変です」
「何がだ?」
「なんで眷獣が実体化しているんですか?」
「何言ってるんだ?姫柊」
「だって中の人工生命体は意識を失っているのに眷獣が実体化しているのはおかしいんです!」
「ッ!逃げろお前ら!」
眷獣の変化にいち早く気づいたアインが古城と雪菜のフードと襟を掴んで部屋の入り口付近のオイスタッハがいる近くに投げた。
「痛ッ??アインさん??」
雪菜が顔を上げるとそこにはドス黒い瘴気を身体中から垂れ流す薔薇の指先の姿が。先の血の塊以上に苦しそうに体を壁や床に自分で打ち付けて呻き声とも聞こえない奇怪な声を上げている。
「どうやら俺は博打に失敗したらしいぞ!」
その時、薔薇の指先が振り回した腕がアインに当たり、アインは右腕が配置してある台座まで吹き飛ばされた。
「がぁッ??」
腕はそのまま壁を突き破り、海水が部屋に注ぎ込むように流れ込んできた。
「逃げろ!ここはもう保たん!」
「アインさん!」
「行きましょう!彼の言う通りここはもうダメです」
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