第五章 Over World
たから、みんなで
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近のファッションや服の話だとか
学校であった出来事だとか
宿題を教え合ったりだとか
それは、魔法少女が五人集まったにしてはあまりにも平和で
それは女子中学生五人が集まった、当たり前のように平和な時間だった
「暁美さん?」
「え?あ・・・その・・・・」
と、不意にマミから声が掛けられる。
返事がうまく言葉にならない。
「な、なに?」
「いえ・・・・なんだか、一人だけ違うこと考えているような・・・あ、それがいけないことじゃないのよ?でも・・・・」
「ったく、まーた一人でなんか考えてんの?」
「くだらねぇ事考えるくらいなら、ここで言っちまいな。面白かったら笑ってやっから」
ほむらだけ、輪から外れている気がしてしまうマミ
ちゃかすようだが、心配してくれているさやか
ぶっきらぼうである物の、話は聞いてくれようとする杏子
「ほむらちゃん」
唖然としてしまうほむらの手に、まどかの手が重ねられる。
「まどか・・・・」
「なにかあるなら、言ってね?」
その言葉に、ほむらは喉が詰まってしまう。
違う
違うのだ
悩みだとか、そんなのがあるわけじゃない
苦悩だとか、そういうものをここで言っても仕方がない
私が、言いたかったのは
「こんな光景・・・私見たことない・・・・・」
「?・・・そうね。五人そろってのお茶会は初めてね」
「皆なんだかんだで揃えなかったもんね」
違う
違うの
本当に見たことがないの
こんな五人がそろって、笑顔で楽しく過ごす時間があったなんて、私は一度も見たことがない・・・・・・
こんな暖かくて幸せな時間、私は一度も知らない・・・・・・
「わっ!ど、どうしたのほむらちゃん!!」
「泣いてんのか?」
「え・・・・」
気付くと、ほむらの頬を涙が伝っていた。
ほろほろとこぼれる涙。
何かを言いたいのに、喉が詰まって何も言えない。
その瞳からは只々、涙がぽろぽろと流れていく。
いきなりのことに、みんなが心配してくれる。
いろんなことを言いたい。
皆に伝えたい
でも、声を出そうとすれば
それはすぐに哭き声になってしまう。
「私は・・・・」
「なに?」
「ほれ、こーいうときは深呼吸して一気に言っちまえよ!」
「杏子〜、あんたもっとデリカシーってもんをだねぇ」
私は、伝えたい
みんなと一緒に
こんな未来を、見てみたい。
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