第五章 Over World
たから、みんなで
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の時間を過ごせば、そんなことができるのだろうか。
一人の運命を変えることにここまで苦悩しているというのに、彼女は自身と、仲間と、そしてその周囲の全員の未来をこじ開けて見せたのと言うのだ。
「あ・・・・あなたは・・・・どれだけの時間を・・・・」
自分はまだ、十数回しか繰り返してない。
一回で一ヶ月ならば、それは時間の換算して一年と少し。
二年も経っていない。
それを聞き、ほむらが震える声で問うた。
本当だったら、その答えは聞きたくない。
もし聞いてしまったら、自分は絶望に染まるかもしれない。
でも
自分と同じ道を、それ以上を歩んだこの人は
一体どれだけの道のりを越えてきというのか――――
それに対し、梨花は両手の指を開いて答える。
「十年・・・・?」
「いえ・・・・百年よ」
「―――――――――」
言葉の、返しようがない。
自分の軽く百倍近く。
自分はたかだかこの程度の繰り返しですでに心が折れているというのに、彼女はあの小さな体で百年の時を過ごしたのだ。
身体が落ち、膝をつく。
目の前の大きな存在。
まるでそれに押しつぶされそうだ。
だが
「でもね、かけた時間は問題じゃなかった」
「え・・・・」
「百年かけようが、一ヶ月かけようが、最初から気づけば運命なんて簡単に乗り越えられる」
誇らしげに、語る。
気付けば、彼女との隣には巫女服を着た少女がもう一人浮いていた。
「運命を乗り越えるには、奇蹟が必要。それはサイコロの6の目が連続ででるような確率。それを求めて、私は幾度も繰り返した」
「しかし、運命を越えるのにサイコロなど必要なかったのです」
「必要なのは、皆で挑むこと」
「誰一人欠けず、その未来を信じて手を伸ばし、駆け抜けること」
「サイコロを振るなんて、なんて浅はかな考え」
「それは眺める側の領域。ボクたちは運命から逃れようとしている当事者なのに、舞台から降りて他のみんながうまく乗り越えられるか見ていただけでした」
「そしてうまくいって、ハッピーエンドを迎えたらエンドロールだけ顔を出す」
「そんな奇蹟、あるわけないですよ」
「奇跡みたいな大きな未来」
「一人でつかむには、私たちの手は小さすぎる」
「掴みたいなら、みんなで掴みなさい。暁美ほむら」
「あなたには」
「あなたにも」
「
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