第五章 Over World
遠ざかる真実
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あたりを捜索し始めている。
「少しは時間が稼げるかも・・・・」
この小屋は誰も使っていないもののようだ。
少しは時間が稼げるはず。
夜にでもなれば、まだ脱出の糸口はある―――――
「君たちはここにいて」
「え!?」
唯子は子供たちを置いて、一人立ち上がった。
彼等の狙いは唯子だ。
ならばここで一緒に隠れるより、唯子一人が逃げていた方がいい。
そして夜になってここに戻り、みんなで脱出だ。
「ね?おねーさんの言うこと、聞ける?」
「でも・・・」
「何があっても、ここから出ないでね?」
そう言って、外に気を付けて扉を開ける唯子。
外に出て、中の子たちがカギを締める音を確認してから、村の中に駆けだしていった。
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「ッァ・・・」
おかしい
「ハァッ・・・ハ・・・ァッ・・・・!!!」
(な、なんで・・・・・)
あれから唯子は村を走っていた。
村人を一手に引き付け、子どもたちに脅威が迫らないようにだ。
当然、唯子ならば彼女たちから逃げきるだけの体力はあるだろう。
むしろ全員を倒すことだって出来るだろう。
だが
(体力が・・・・落ちてる・・・!?)
息はすでに上がりきっており、顎もだらしなく上がっている。
そもそも
(私、どうしてそんな時間逃げ切れるなんて思ってたの・・・・!?)
それに
(・・・あれ・・・・私・・・うん最初からこれくらいの体力しかないわよね・・・なのになんで逃げ切れるなんて)
「何の力もない私」が、普通に考えてあれだけの村人に追い回され、逃げ切ることなど不可能だろう。
あれだけの人数を倒すなど、無理に決まっている。
どうして唯子は、それができる気でいたのか。
まったく思い浮かばない。
(でも・・・・できるかどうかより、あの子たちを護れるならこうしてたかもね・・・・)
体力も何もかも、唯子は一般人だ。
(というかあれ?教会から脱出してきたときはどうしたっけ・・・・?)
確か、教会の隠し通路を通って・・・・・
途中で追いつかれそうになったからあの子たちを担い「あの子たちの手を取って走り抜け」た。
洞窟からそのまま外に飛び出そうになって、そのまま「いったん止まってから壁に沿ってある階段で下り」たんだ。
それで街まで彼等を背「手を引っ張って一緒に逃げて」来た。
そうだった。
必死になってこ
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