第五章 Over World
似て非なる物だと知るがいい
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「舜君は・・・・翼人は、あなたとは絶対に違う」
彼女は確信を持って言った。
なぜならば、彼女は今まで見てきたからだ。
一番彼を見てきたからだ。
初めて会った、十余年前。
次に会った、半年後。
その十年後に会った時も。
そして、その後に再会した時も。
その後も、どの戦いも
ずっとずっと見てきた。
世界の仕打ちに涙して
人の惨さに憤怒して
命の輝きに歓喜する
そんな彼を、誰よりも見てきた。
彼は、彼ら翼人は
「一度だって。ただの一度も!!私たちを見捨てたことはなかったもの―――――!!!!」
レイジングハートの先端に、魔力が一気に込められていく。
それに対し、蒔風の持つ彼女のソウルジェムも同じ輝きを発し始めた。
しかし、その宝石は濁ることがなく
それどころか、更に輝きを増して美しく煌いているではないか――――!!
「聞け、虚無の偶像よ」
それに対し、蒔風が語った。
静かに、そして雄大に。
一つ上位の存在として、キュゥべえを見下ろすかのように語りかける。
「人の想いを手にして扱うその愚行と、その想いを背に纏い、全身で支え抱える我ら。その二つ、似て非なるものだと知るがいい」
ポイッ、と
キュゥべえのソウルジェムを放り上げ、キュゥべえとなのはの延長線上から外れる蒔風。
それが、最上部に揚がり
「汝のそれは、我に敗れたのとは異なることを知れ」
ゆっくりと落ちてきて
「やめ・・・・!!」
キュゥべえが手を伸ばして、それをキャッチしようとする。
「汝が敗れたのは、そう。ほかでもない人の心という物だ。それと――――」
ソウルジェムが、レイジングハートの目の前に到達し
「それと、俺の一番大切な人に―――――俺の大切な人に、薄汚い手で触れるんじゃねぇよ!!」
ゴォゥッッッ!!!
その一言に、もうすでに最高に輝いていたと思われていたなのはのソウルジェムが、さらに二倍にも輝きを増す!!
「スターライト―――――ブレイカー!!!」
ゴッ、ヴッッ!!!
放たれたるは、桜の砲撃。
その輝きは、今宵に限って星と異なる。
その星は、天に瞬く輝きでなく
星となりえども、輝きを失わぬ人の魂
「ありがとう、なのは」
蒔風が礼を言う。
そうして砕け散るのも、また命の星。
その命、願わくばこの空に輝かんことを
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