第五章 Over World
似て非なる物だと知るがいい
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た。
まるで「これがどうなってもいいのか」とでも言うかのようだ。
「これが―――」
「遅い」
斬ッ!!
バヒュンと
蒔風の抜刀が、キュゥべえの右腕を斬り飛ばした。
なのはのソウルジェムはすでに蒔風の手の中にあり、切り落とされた腕が宙を舞って地面に落ちる。
後退するキュゥべえ。
「な・・・・!?」
「翼人に人質は効かねェんだよ」
クルクルと剣を回してから、ビッ!と一振りして体液を払う。
そして鞘に納め、剣を消す。
「そも貴様の脅迫なんざ、哺乳瓶投げつける赤ん坊よりも迫力に欠けるぞ」
「グゥぅぅぅううう!?」
その一撃に、キュゥべえがついに追い込まれる。
蒔風の翼が再び輝き、キュゥべえの身体が硬直した。
輝きだすキュゥべえの胸元から、徐々にそのソウルジェムが生成されていく。
「バカな・・・・・!!!!」
「名づけるならば「因果力」というべきか。翼人として覚醒し、その理解力をもってすれば、その力を使うことは容易い」
そうして、キュゥべえのソウルジェムが生成されていく。
その光景に、キュゥべえが少しだけ意識を逸らす。
(まずい・・・このままじゃ・・・・ボクに残された一手は・・・・あれしかない―――!!!)
そして、それを行った。
「その行為」をしなければ、自分という存在は完全に抹消されてしまうからだ。
そうしているうちに、蒔風の手にキュゥべえのソウルジェムが生成された。
色は、少し淀んだ白。
「ヨーグルト」と言われて思い出す色に近いかもしれない。
「がっ・・・・」
「さて、これが最後だ。途中から倒すのは無理だと思ったが・・・・まあ、すべての敗因はお前にあったな」
「な、ぜだ!!」
上半身がだらんと下がったキュゥべえが、起き上がりながら蒔風に向かって叫ぶ。
それは、命ある物の最後の叫びと、何一つ変わらない。
「今の話なら、君も―――翼人も他人の感情を利用するんじゃないか!!ボクたちと何が違う!!その感情エネルギーを得て、自分の力のように使う。その何が違う!!君もボクたちと、所詮は同じじゃないか!!」
確かに
キュゥべえは少女たちの感情エネルギーを搾取して利用してきた。
翼人もまた、他者の感情を翼に集めることで、自分のエネルギーにすることができる。
では、その翼人が彼等を糾弾するのは間違いじゃないのか。
しかし、その反論はすぐに飛んで来た。
「違うよ」
その声は、なのはのものだった。
そう、彼女は知っている。
彼は違う。
そう言える。間違いなく、キュゥべえとは違うと。
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