暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
似て非なる物だと知るがいい
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。
まるで「これがどうなってもいいのか」とでも言うかのようだ。



「これが―――」

「遅い」

斬ッ!!


バヒュンと

蒔風の抜刀が、キュゥべえの右腕を斬り飛ばした。
なのはのソウルジェムはすでに蒔風の手の中にあり、切り落とされた腕が宙を舞って地面に落ちる。

後退するキュゥべえ。


「な・・・・!?」

「翼人に人質は効かねェんだよ」

クルクルと剣を回してから、ビッ!と一振りして体液を払う。
そして鞘に納め、剣を消す。


「そも貴様の脅迫なんざ、哺乳瓶投げつける赤ん坊よりも迫力に欠けるぞ」

「グゥぅぅぅううう!?」


その一撃に、キュゥべえがついに追い込まれる。


蒔風の翼が再び輝き、キュゥべえの身体が硬直した。
輝きだすキュゥべえの胸元から、徐々にそのソウルジェムが生成されていく。


「バカな・・・・・!!!!」

「名づけるならば「因果力」というべきか。翼人として覚醒し、その理解力をもってすれば、その力を使うことは容易い」


そうして、キュゥべえのソウルジェムが生成されていく。
その光景に、キュゥべえが少しだけ意識を逸らす。

(まずい・・・このままじゃ・・・・ボクに残された一手は・・・・あれしかない―――!!!)

そして、それを行った。
「その行為」をしなければ、自分という存在は完全に抹消されてしまうからだ。


そうしているうちに、蒔風の手にキュゥべえのソウルジェムが生成された。

色は、少し淀んだ白。
「ヨーグルト」と言われて思い出す色に近いかもしれない。



「がっ・・・・」

「さて、これが最後だ。途中から倒すのは無理だと思ったが・・・・まあ、すべての敗因はお前にあったな」

「な、ぜだ!!」

上半身がだらんと下がったキュゥべえが、起き上がりながら蒔風に向かって叫ぶ。
それは、命ある物の最後の叫びと、何一つ変わらない。


「今の話なら、君も―――翼人も他人の感情を利用するんじゃないか!!ボクたちと何が違う!!その感情エネルギーを得て、自分の力のように使う。その何が違う!!君もボクたちと、所詮は同じじゃないか!!」


確かに


キュゥべえは少女たちの感情エネルギーを搾取して利用してきた。
翼人もまた、他者の感情を翼に集めることで、自分のエネルギーにすることができる。

では、その翼人が彼等を糾弾するのは間違いじゃないのか。



しかし、その反論はすぐに飛んで来た。



「違うよ」

その声は、なのはのものだった。


そう、彼女は知っている。

彼は違う。
そう言える。間違いなく、キュゥべえとは違うと。



[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ