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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
似て非なる物だと知るがいい
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生物に、それをコントロールするだけの精神力はない。


だが


「わかったよ」

そう、短く一言だけ発した。
その声は異様に落ち着いており、不気味な響きを醸し出す・・・・・



「わかった。確かに、さすがに今のコンディションで君に勝てるとは思わないよ」

「・・・・何をする気だ」

「撤退さ。でもね、何もしないでこのまま逃げるなんて―――――そんな無駄なことはしないさ」


「なにを・・・・ぐっ!?」

「舜君!?あっ・・・くっ・・・・ぅ?」


キュゥべえの撤退宣言。
だが、最後の最後でキュゥべえは攻撃を仕掛けてきた。

その攻撃に、蒔風となのはが息が詰まったように体をこわばらせる。


「ふふふふふふ・・・・」

キュゥべえの攻撃。
それはエネルギーによるものでも、肉体的なダメージを与える物でもない。

それは、彼がもともと持つ能力の一つだ。



蒔風となのはの胸元が、薄く光っていた。
その光はだんだんと輝きをまし、その光源が外に出てこようとしているようだ。

それなりに苦しいのか、二人は身動きをとれなくなっており、その光がゆっくりと、自分の胸から出ていくをの見ていることしかできない。



「貰うよ。その魂」

「クッ・・・はっぁ!!」

「あグゥ・・・」


その光が胸から出きった瞬間、その全身の硬直も収まった。
蒔風はとっさにその光を掴むが、なのはは膝から崩れてしまい座り込む。

なのはの光は、魔力光に準じたのか桜色。
それがキュゥべえの手のひらに向かい、抓まれて実体化した。


「これは・・・・!!!」


それは、蒔風の物も同じだ。

違うのは色。
蒔風のは銀白色をしている。


それは、魔法少女の証。
魂の実体。


「ソウルジェム――――!?」

「そうさ。本来ならば少女の願いと共に生成され、その魔力のもとにするんだけど・・・魂の加工だけでも十分にできる」


キュゥべえの契約は、少女の願いを叶えてソウルジェムを作り出すことだ。

願いをかなえる理由として、その希望をもとに魔力とするためだ。
そうすることで、願い如何で強力な魔法少女になれるし、その結果強力な魔女になる。

そして、それによって大きなエネルギーを得ることができるのだ。


最も、ソウルジェムへの魂の加工はその人物の「因果」も必要だ。
それを彼らは「魔法少女の資質」と言い、これ次第では願いがどうであれ強力な魔法少女になれる。


つまり



「願いをかなえるのはエネルギーを効率よく集めるためだから、願いは叶えなくてもソウルジェム化はできるのさ」

「く・・・これじゃサギだ・・・・
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