第五章 Over World
似て非なる物だと知るがいい
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向かえるんだ!!!)
キュゥべえの動きを越え、蒔風の連続攻撃がその全身を叩く。
身体を支える器官が砕け、そこを即座に再生させて立ち上がるもそこにぶち込まれるのはなのはの砲撃だ。
地面にばしゃりと倒れ込み、目を見開くとそこには拳を振り上げた蒔風が。
「打 滅 星!!」
「がっバァ・・・ッ!!!」
拳は見事に突き降ろされ、その腹のど真ん中に命中する。
口内から体液が吹き出し、それが地面の水に溶けて流れていく。
「ぐっ・・・ゴホゴホっ・・・このォッ!!」
だが、そうはいってもやはり再生能力は健在なのだ。
いくらその体を損傷させても、再生するだけのエネルギーはある。
さらに言うなら、そのエネルギーを使い切るよりも早く、蒔風たちの方が力尽きるだけの量がある。
だが、たった30分にも満たないこの攻防の中で、キュゥべえの精神は追い込まれていっていた。
戦闘面で
確かにキュゥべえは蒔風達を圧倒していた。
攻撃は回避できたし、喰らっても即時再生だ。
戦闘技能でいくら劣ろうとも、いずれこの人間をつぶすことは出来る。
こうして考えても、彼が負ける要素など何一つとしてありはしない。
肉体の痛覚は、いっそのこと無視できるから苦しいなんてこともない。
だというのに
この男は
否
この人間という生物は、一体何度立ち上がって来るというのか――――!!!
「この・・・・!!」
「落ち着けよ、インキュベーダー。お前の方が勝率は高いんだろう?」
「そ、そうだ!!お前に勝てる要素は・・・ないんだ!!なのになんで・・・・」
「そうだ。ステータスを見れば、勝てる要素はない。お前の勝ちだよインキュベーダー。だがな」
ドゴッ!!
「グァッ!!」
「お前と俺という二人の存在を見たとしたら、お前の方が負ける」
「なに・・・・」
「俺たちはな、そうして負ける奴のことを――――未熟者、って言うのさ」
キュゥべえが、その言葉に打ちひしがれた。
宇宙にまだ一歩踏み出すのが精いっぱいの
こんな宇宙の辺境の星の
意思の統一もできないこんな生物の
こんなたった一言に
なぜ何も言い返せないのだ――――!!!
「言い訳も弁解も聞こう。反論されなきゃそれが正論になる。だがその未熟な心でそれが出来るかな?言っとくが、俺はガキの戯言に付き合うほど暇じゃないんで」
「この・・・・・・・・」
蒔風の言葉にブルブルと震えて怒りを殺そうとするキュゥべえ。
だが、いまさらこの
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