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世界をめぐる、銀白の翼
第五章 Over World
似て非なる物だと知るがいい
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このエネルギーもコントロールできる・・・お前さえ潰せば、この胸の物も消えるんだ!!」

「これを無駄だと斬り捨てる貴様にそれは出来ないだろうな」


そう言って、ポンとキュゥべえの頭に手を乗せる蒔風。
それを腕で払うキュゥべえだが、蒔風はそのままキュゥべえの背後に歩いていく。

なのはの隣に立ち、再び語る。


「確かに、人間は感情を持つがゆえにメチャクチャなことをする。決して賢いとは言えない決断をし、無駄だとわかっていてもついそれをやってしまうこともある。だけどな、キュゥべえ」

ザッ


「だからこそ、それだけ扱いが難しいからこそ。感情を持つ生物というのは何より先に進める物なんじゃないか?」

「な・・・・に・・・・」


「確かに今はそうかもしれない。でも俺たちは、いずれこの感情もコントロールしきることができる。そうすれば、これなによりも心強いモノになるんだ」


お前たちは自分が高度で、感情は無駄だから持たないと思っているのかもしれないが、それは違う。
俺たちが感情を持っているのは、まだ生物として完成していないからじゃない。

それだけ強大なものを得てもなお、いずれそれを越えて行ける強さがあるからこそ、我々はこの力を得たんだ。



そう、そうだ。

彼等はそれを扱うだけの、理解するだけの物がなかった。
我々には、それを扱い、時に理解することができるだけの許容があった。


その違い。
どちらが優れているかなど、今更問うべきものではない。


正しいだけなら、機械が出来る。
間違わないだけなら、教科書を見ればいい。


でも、それだけで最善にはならないのが現実だ。


最も最善に至る道こそ、我々の持つそれが導き出してくれるのだ。



「インキュベーダー。心や感情がいらないという考えは間違いだ。お前たちがどれだけ高度な知性や技術を持っていても、それだけは絶対に違う。そんなものよりも、心はずっとずっと素晴らしいものだ。なぜならば――――」


息を吸い

溜め

そして、心から誇らしげに、空を仰いで断言する。


「お前らの言うとおり、心や感情は、この宇宙を救うほどの力を秘めているんだからな――――!!行くぞ!!なのは!!」

「うん!!」

「クッ・・・・!!」


バシャッ!!と、キュゥべえが水を跳ね上げ、蒔風達の視界を逸らせる。


その隙に距離を取り構えるが、なのはが構え、蒔風が走り出してきた。
それに対してキュゥべえは、まだ心の整理がついていない。


(くっ・・・身体のコンディションが定まらない・・・このままでは戦えない!!こんなもの・・・・こんな不確定なものを抱え、どうして彼等は平然と立ち
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