第五章 Over World
もったいないと思わないかい?
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ように、目の前のインキュベーダーも宣言した。
「そこまでして集めたエネルギー、無駄にするのはもったいないと思わないかい?」
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「ちょっとちょっと!なんですかあなたたち!!」
「そこの女一人だけが無事だなんておかしいじゃないか!!」
「出せ!!そいつは呪いの女だ!」
「悪魔を殺せ!!」
村の狂気。
標的は一人に向けられる。
手に持つのは、いつも生活に使用している道具ばかりだ。
「そいつは外から来た人間だ!!」
「そうだ!どこから来たのかもわからないそうじゃないか!!」
「神父様は騙されているんだ!!」
教会の扉で、神父が相手にする村人たちはすでに正気を失っている。
このままでは「神父は悪魔に敗れた」とでもいって、彼も殺されてしまうかもしれない。
教会内部では、子供たちと唯子が隠れていた。
自分が出て行けばいい、と言い張った唯子だが、子供たちが不安がってしがみついてしまったのだ。
引き剥がすこともできず、こうして隠れている。
隠れている場所は、教壇より奥の下だ。
ちょうど、十字架が立てられている真下。
真正面から見ても、教壇に隠れて見えない場所に出入り口がある。
最悪、奥の方に抜け道があるのでそこからも逃げだせる。
「どうしてこんなことになっちゃったのぉ・・・・?」
「ねーちゃん、悪魔なんかじゃねーのに・・・・」
「俺話してくる!!そうすれば――――」
「ダメ!ここから出ちゃいけないって、神父さんも言ってたでしょ!!」
涙で瞳を潤ませる女の子
この状況に憤る二人の男の子
それを止める、唯子
もしこのまま出て行ってそんなことを言えば「悪魔に魂を取られた」として殺されるのがオチだ。
そうじゃなくても、彼らが唯子と共に生活していることはわかっているのだ。
何も言わなくても標的にされるかもしれない。
そこで
ガシャァ!!
『―――そ!どこ――――』
『よくも神父さ―――』
『本物の―――は―――こだ!!』
教会内に、暴徒が入ってきた。
唯子が子供たちを奥に行かせて、小さな扉の隙間から外をのぞく。
彼らが口々にするのは、悪魔である唯子への、確証のない罵倒。
そして、よくも本物の神父様を、という怒りの言葉だった。
「私が神父さんや
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