第五章 Over World
もったいないと思わないかい?
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なかった奴にも、魂を得ることができた・・・・」
「そう。間違いなく感情は――――心ってのは無からだって生まれるし、周りの環境さえあればいくらだって増大する。ま、お前らの言う「物理法則に捉われない」ってやつだ」
皮肉のように言う蒔風。
キュゥべえは聞こえているのか、無感情そうな目で蒔風を見る。
「もしその個体にそれを受け入れるだけの知性があるのなら、心はそこに生まれ出ずる。大半の機械にそれがないのは、感情を得るだけの器が足りてないからだ。もしそれを受け止めるだけのキャパがあるならば、どんなものにでも心は宿る」
「つまり、ただの機械だと感情を得てもオーバーしちゃうってことですね」
「フリーズだな。過剰情報で煮詰まっちまうんだ。だが・・・・心はそれだけ取扱いの難しいものだってことだ」
「じゃあ・・・・これは・・・・・」
「自覚させてやるよ、インキュベーダー。それが、感情だ」
「これ・・・が・・・・なぜ・・・・」
「お前を支えていたのは使命感だ。宇宙を救うためという大きな目標があったからこそ、こんな星でもやってこれた」
「こんな星?」
「言ってたでしょ?彼等には感情が無いって」
「・・・・ああ、感情がない彼等からしてたら、俺たちは精神異常者にしか見えないってわけですね」
「それがいけないわけじゃないが・・・・彼等にとっては苦痛だったろうな。その補佐を数百万年もやってきたんだから」
「だけど、それが崩れた」
「断言するぞ、インキュベーダー。お前のそれは感情だ。心だ。全く・・・・そんだけの時間この星にいたくせに、そんなこともわからないのか?というか、やっとわかったのか」
「ぐ・・・が・・・・」
「物わかりの悪いというか、鈍感というか、やっと影響を受け入れたか・・・・俺たちは生まれて数年で自覚する心を、お前は数万年もかけるんだから、お笑いだよ」
「そう・・・・か・・・・じゃあ・・・・これが怒り・・・という物なんだね」
「お、自覚した?」
苦しそうな声だったキュゥべえだが、その声がだんだんと戻っていく。
体勢も戻っており、さっきまでの座っていた体勢と同じだ。
「そうだね。確かに僕は君たちで言う「怒っている」状態なんだろうね」
「まあそうだな」
「でも、僕はそんなものに流されはしないよ」
「そうか」
「ただ・・・・・」
「?」
キュゥべえの顔がうつむき陰に染まる。
様子がおかしい。
映司が目の前の相手に困惑していると、蒔風が険しい顔をして警戒していた。
「来るぞ映司。構えろ」
一言発し、緊張が走る。
そしてそれにこたえるかの
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