第五章 Over World
もったいないと思わないかい?
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が、縮小期になれば恐らくこの宇宙は滅びるだろう。でもねぇ・・・・それ、多分数千兆どころかそれ以上先の話だぞ?」
「たしか、そもそも地球の寿命があと50億でしたっけ?」
「それ太陽の寿命な。まあそうなる前に、人類が先に衰退してそうだけどなー・・・んで、お前たちはそれまで繁栄できているのかな?」
「・・・・・!!」
「お前のとこじゃどうだか知らんが、少なくともこの世界じゃ宇宙より生物が長生きできる可能性なんてねーよ。宇宙が縮小する時にゃ、それよりも前に生物は滅んでるよ」
「それに、それで滅ぶなら自然の摂理、ってやつですしね」
「そのとーり。あー・・・・でっかいスケールの話してつかれたァ・・・・」
んー、と伸びをして、身体の筋を伸ばす蒔風。
もうキュゥべえのことはどうでもいいのか、完全に眼中にない。
「そんな・・・ばかな・・・・!!」
「あ?」
「それじゃあ、僕たちのやってきたことは・・・・」
「ああ、無駄だって言ったろ。少なくとも、今からセコセコ対策とる必要なんてのは皆無だ。数百万年頑張って、する必要もないのにセコセコ人類育てて、それなのに誰からも褒められることなく、最後には「お前のやってたことは無駄でしたのー」だもんな。笑えるぜ」
「・・・・・・・・」
「数百万年、お疲れ様ですたー。さ、無駄だからもうこの星から去っていこうや。お前もいやだろ、こんな星。合理的に考えて」
「ぐ・・・うぅ・・・・・」
瓦礫の上に、置物のように座るキュゥべえが唸りを上げる。
顔はうつむき、まるで何かをこらえているかのような様子すら見せる。
「お?怒ったのか?」
「僕たちに・・・・感情なんてものはない・・・怒るなんて・・・ことは・・・・・」
「でも、怒ってるよね」
蒔風の問い、キュゥべえの返答、映司の追い討ち。
そう、確かにキュゥべえは今まで感じたことのないモノを感じていた。
「もうひとつ教えてやる、インキュベーダー。あぁ、安心しろ。今までのこととは関係ない話さ。心の講義だ」
そう言って、蒔風が人差し指をピッ、と上げて話を始める。
映司もその話に聞き入る。
「感情や心ってのは伝染する。誰かが楽しそうなら楽しそうにするし、誰かが悪いことをすれば自分も・・・という気がしてしまう。ま、その真逆になることもあるけど」
「朱に交われば赤くなる・・・ですか。同感や同情、あと妬みとか卑屈、ってこと?」
「まあそんなもんだ。実際、感情を刷り込まれていなかったヒューマノイドインターフェースに感情が芽生え、人格でしかないデバイスにはマスターを思いやる心が生まれた」
「そして満足することのできなかった、ただのメダルでしか
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