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とある3年4組の卑怯者
9 空気杖球(エアホッケー)
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な?」
「ああ、もちろん」
 こうしてゲームが開始した。
 台の真ん中に設置しているパックの口からパックが現れた。藤木がマレットで弾こうとする。が、相手のマレットが先だった。そのスマッシュにみどりは追いつけず、先制された。
「ふん、こりゃ楽勝だな」
「まだ勝負はこれからだ!」
 次のパックが出てきた。が、また先を越された。しかし、今度は藤木は守りに着くことを考えてゴールを何とか回避した。それをみどりが相手のゴールへと弾こうとする。しかし、簡単に守られた。
 みどりがもう一度狙う。が、これも失敗。そのパックを打ち返される。2点目を取られた。みどりが涙目になった。
「みどりちゃん、泣くなよ。泣くならこれが終わってからにしてくれ。あきらめちゃダメだ!」
「藤木さん・・・はい!」
 その時藤木はどうすれば勝てるか考えた。
(そうだ、身長は僕の方が高い・・・)
 パックが出てきた。藤木は先手を取るために腕を伸ばし、思いっきり背中を倒した。成功した。パックは弾かれた勢いでテーブルの端にぶつかり、さらなる勢いで相手のゴールを襲った。
 1点を返した。
「すごい、藤木さん」
 みどりは見とれた。次のパックは先に取られたが、上手くゴールを守り抜き、2点目を入れ、同点とした。
 次は藤木が先制したが、ブロックされ、激しい攻守の中、相手に3点目を許してしまった。
 そして、次は相手に先制され、相手のスマッシュが勢いよくゴールへと入りそうになる。みどりは必死にそれを弾いた。それを大きく端にあたり、もう片方の相手が必死に弾き返そうとするもマレットに当たっただけでゴールに入って再び同点となった。
 藤木とみどりの息が次第に会ってきていると、観戦しているまる子は思った。
 次は藤木のスマッシュでついに藤木・みどり側が4点目と勝ち越した。
 相手に焦りが見えてきた。次は相手も先制しようと焦って、先にみどりのマレットがパックを横に逸らした。これが藤木へのパスにつながり、辛うじてもう片方の男子が最初はゴールはブロックできたものの、藤木2回目のスマッシュで5点目を献上した。
 次は相手の得点を許したが、その次は藤木の強力なスマッシュがゴールを命中。さらにその次はみどりがゴールを決めた。
 藤木・みどりペアの怒涛の勢いで8点目、9点目を挙げた。残り時間が半分を切った。
 次はみどりのミスで相手チームの5点目を挙げてしまった。
「ごめんなさい、藤木さん」
「いいよ、まだ勝ってるんだから」
「はい」
 このときの藤木がまる子には頼もしく見えた。
 藤木は長身を活かしてパックを奪い、相手に渡すまいとそれをみどりにパスした。それをみどりが相手ゴールに向かって弾く。が、ブロックされる。いただきと相手は思ったが、これもまた藤木が受けとめ、相手のゴールに入
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