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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第100話:忠誠心と恋心
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モストゥーン村って何処?

「モストゥーン村へ直接ルーラで行く訳いかねーから、一番近くのヒストニス村へ行って、魔法の絨毯で西に移動。モストゥーン村が見えてくる前に魔法の絨毯を仕舞って、馬車(パトリシア)と一緒に歩いて入村。うん、急いだ方が良いね」

また知らない村名が出てきた。
ヒストニス村って何処の事だよ!?
何でそんな所に行かなきゃならないの?
ってか、何で直接ルーラで行けないの??

オイラの疑問は何一つ解消される事無く、ビアンカさんに手を引かれ急ぎ足でリュカさんの仕事部屋から出て行く事になる。
オイラもしつこく聞けば良いんだけど、親との記憶が無い為、手を握って出掛ける事に何だか嬉しくなっちゃって、ただ黙って従ってしまう。

連れて行かれるまま身を任せると、グランバニア城の1階に到着。
あまり近寄らない厩舎の方に移動……そこには白い綺麗な馬と、その馬に付けられた丈夫そうだが小汚い馬車があり、馬車の中には色々な家財道具が収まっていた。

夜逃げかとも思ったけど、厩舎に居た係の人もリュカさんの行動に疑問を持つ素振りも見せず、小声で「いってらっしゃいませ」と言って送り出す準備万端だった。
うん。夜逃げじゃ無いな……

「やぁパトリシア。今日はビアンカも一緒だから、喧嘩なんかしないでよね?」
「流石に馬となんか喧嘩しないわよ」
何故ビアンカさんが馬と喧嘩しないか心配してる理由は解らないが、この馬はパトリシアと言うらしい。

そのパトリシアを引き連れて屋根の無い場所まで来ると、リュカさんはオイラの肩に手を置いて優しい声で呪文を唱える。
「ルーラ」

一体何処へ行くのか……
一体何をするつもりなのか……
ってか、200(ゴールド)の仕事って何なのか!?

疑問は何も解決してないけれど、兎も角オイラはリュカさんとビアンカさんを父ちゃんと母ちゃんって呼べば良いらしい。
本当にそれだけなら、こんなに美味しい仕事はない。

やっぱりアニキは優しいなぁ。

アローSIDE END




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