スラッガーと守備職人
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からニッコリ笑顔を見せる少女の姿に、赤髪の少女は何をやっているのかと唖然としていた。
「イミワカンナイ」
ポーズを決めたままの少女にそう言って通り過ぎていく。少女はそのまま自動販売機の前まで行くと、スポーツドリンクを購入し、椅子に座って休憩する。
「あなたすごいニコね。ホームラン性の当たりがいっぱいだったニコ」
「別に・・・」
素っ気ない態度を見せる少女の隣に腰掛けたにこは、その態度に思わずイラッとする。
「私、矢澤にこ。音ノ木坂の三年生にこ」
「ヴェ!?三年生!?」
水分補給をしていた少女は、自分よりも小さな背格好なの少女が、年上だったことに驚きを隠せないといった表情を見せる。それを見てにこは、いまだの鋭い目付きで彼女を見つめる。
「そうよ。あなた一年生でしょ?だったら先輩にそんな態度とならないの!!」
「だってにこちゃん三年生に見えないじゃない」
「ムムッ!!」
気にしているところを突かれ思わず口を尖らせるツインテールの少女。そんな彼女をに対し、赤髪の少女も自己紹介をした。
「私は西木野真姫。お察しの通り一年生よ」
「あれ?西木野って・・・」
彼女の名前を聞いたにこは聞き覚えがあったらしく、ニコッと笑みを浮かべる。その唐突の笑顔に、真姫は思わずビクッとなった。
「へぇ、そっかー。あなたがあの西木野病院の!!」
この年、音ノ木坂の二、三年生の間である話題が上がっていた。“今年の一年生に大病院の一人娘が入学してきた”と。
西木野病院・・・地元で有名な病院で、そこに行けば大体の設備が整っている個人病院としては珍しい大病院である。
ジロジロ
「な・・・何よ」
「別に〜、ただぁ、家もお金持ちでこんなに可愛くて、勉強も運動もできるなんて羨ましいなぁって思っただけ〜」
「ヴぇぇぇ・・・」
体を密着させながら、上目遣いをしてくる少女にタジタジになっている真姫。だが、次の一言が彼女の怒りを買うことになる。
「そんなに打てるなら、野球部に入ってあげればいいのにぃ。今、人がいなくて大変らしいよぉ」
ガタッ
「キャッ!!」
真姫に全体重をかけていたにこは、彼女が突然立ち上がったせいで思わず倒れる。ビックリして相手を見上げると、真姫は鋭い目付きでにこのことを見下ろしていた。
「あなたに関係ないでしょ!!」
そう怒鳴りそそくさとバッティングセンターを後にする真姫。にこは何が彼女の逆鱗に触れたのかわからず、呆然としていた。
「もう!!何なのあれ!?」
彼女の姿が見えなくなると、次第に怒りがこみ上げてきて地団駄を踏む。だが、ここがバイト先の店内であることを思い出し、すぐさま営業スマイルへと切り替えていた。
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