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とある3年4組の卑怯者
8 百貨店(デパート)
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 藤木は頭の中でボーっとしていた。何しろ明日は日曜日。みどりやまる子達とデパートに行くことになっていたのだから。と、その時・・・。
「藤木君?」
「はい!?」
 担任の戸川先生が藤木の名を呼んだ。
「次の文章を音読してくれますか?」
「はい・・・、えっとどこでしたっけ?」
「藤木君、授業中はボーっとしないでくださいね」
 藤木は恥ずかしくなった。クラスは今国語の授業中だったのだ。
 
 下校時刻となった。藤木は明日が一刻一刻と迫ってきており、胸騒ぎが抑えられなかった。
「藤木君、バイバイ」
 リリィが笑顔で藤木に別れを告げた。
「あ、またね・・・」
 藤木も挨拶を返した。
(もしリリィに僕がみどりちゃんに好かれているって知ったらどういう反応を示すんだろう・・・)
 藤木はリリィの後ろ姿を見て思った。
「藤木君、君もしかして何か心配事でもあるのかい?」
 永沢が聞いてきた。
「いや、そんなことないさ!」
「でも君、授業中も何かを気にしているようで集中できていなかったじゃないか」
「いや、その、疲れていたんだよ」
「君まさか、笹山にリリィとクラスに好きな人が二人もいてどっちを取るか迷っていたんじゃないのかい?」
「君は何を言っているんだい?僕が授業中までそんな事考えるわけないじゃないか!」
 藤木は永沢の質問に困惑した。
「とにかく、僕は帰るよ」
「あ、おい、藤木君!」
 早歩きで教室を出て行った藤木を永沢はただ呆然と見送るしかなかった。と、その時、後ろから怒鳴り声が永沢を呼ぶ。
「永沢っ!あんたまた藤木に嫌なこと言ったんでしょっ!?」
 城ヶ崎姫子だった。永沢と城ヶ崎はお互い犬猿の仲であるのだ。
「じょ、城ヶ崎!いきなりなんてことを言うんだ!僕は藤木君が今日ボーっとしていた理由を聞いただけだぞ!」
「じゃあ、なんで藤木が早足で教室出て行ったのよっ!」
「藤木君が急に出て行ったんだ!僕の知ったこっちゃじゃない!」
「そう、でもあんた言葉に気を付けなさいよっ!あんたは嫌味ばかり言うんだからっ!!」
 そう吐いて城ヶ崎はその場を離れた。
「ふん、余計なお世話だ!」
 永沢も城ヶ崎の後ろ姿に向かって怒鳴った。そして怒りながら自分も教室を出て行った。
(ああ、嫌な奴、嫌な奴、嫌な奴!!)
 なおこの様子を一人の女子・野口笑子が傍観していた。
「クックック・・・」

 翌朝、藤木は学校に行く日と変わらない時間に起きた。
(はあ、今日か)
 朝の支度を終え、藤木は出かけた。
「楽しんでいってらっしゃいね」
「うん」
「茂〜、お土産楽しみにしているぞ!」
「ちょ、父さん、僕そんなにお金はないよ・・・」
「ああ、心配すんな。ほれ、3000円だ。落としたり、失くしたりすなよ」
 藤木の
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