第三幕その十三
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「そうでしょ」
「はい、それは」
「何かを全く変わらないって言い切る人は何もわかっていない人よ」
「そうなるんですね」
「そうよ、人もものも国も変わるから」
「そういえば」
ここで神宝が気付いたことはといいますと。
「木樵さん達も昔は橋を作れなかったですね」
「そうでしょ」
「変わったんですね、木樵さん達も」
「そうよ」
まさにというのです。
「そうなったのよ」
「そうですか」
「そう、だからね」
「オズの国も変わって」
「これからもどんどん変わっていくのよ」
「そういうことですね」
「変わったから」
ジュリアがここでにこりとして言うことはといいますと。
「テーブル掛けもあるのよ」
「僕達が冒険の時に使っている」
「食べものや飲みものなら何でも出せるあれですね」
「あのテーブル掛けもあるんですね」
「時代が変わったから」
「だからですね」
「そうよ、あのテーブル掛けもオズの国にはなかったわ」
かつてのオズの国にはというのです。
「そこも変わったわ」
「そうなんですね」
「それも変わるってことですね」
「科学も魔法も変わっていって」
「アメリカが変わってオズの国も変わっていく」
「この国も」
「そうよ、じゃあ御飯の時はね」
まさにその時はというのです。
「テーブル掛けでお料理を食べましょう」
「はい、それじゃあ」
「そうしましょう」
「そして美味しいものを出して」
「皆で食べましょう」
「その時は」
「是非ね」
ジュリアは五人に言いました、そうして皆でなのでした。
マンチキンの国を東に東に進んでいきます、人魚の国はまだまだ先ですが皆は陽気にその国に向かっていました。
その中でかかしは町に入った時に左手にあった学校で野球をしているのを見て微笑んでこんなことを言いました。
「野球も変わったね」
「うん、僕達がはじめて観た時よりもね」
木樵がそのかかしに応えました。
「随分とね」
「そうなったね」
「グローブは大きくなって」
「ユニフォームはスタイリッシュでカラフルになって」
「バットもよくなって」
「ボールもかなり飛ぶ様になったよ」
「確かかかしさん達がはじめて野球を観た頃は」
何時だったかとです、ジョージが言いました。
「ドロシーさんとお会いする前で」
「ええと、もう野球がはじまった頃で」
恵梨香も言います。
「日本にも伝わってきた」
「プロチームもなかったんじゃないかしら」
ナターシャは腕を組んで考えるお顔になっています。
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