第三幕その十
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「お空を飛ぶんだよね、その術で」
「あれ実際にしてたかわからないけれど」
日本人の恵梨香の言葉です。
「漫画とかじゃそうして飛んでるわね」
「あの飛び方はまさにムササビね」
ナターシャも忍者のことを思い出しました。
「じゃあオズの国では」
「空にジャンプして飛べるんだね」
最後にカルロスが言いました。
「忍者の人なら」
「ううん、忍者ね」
ジュリアは五人のお話から首を傾げさせて述べました。
「オズの国にもいるわね」
「それじゃあ」
「そうして飛べるのかしら」
「凄いですね」
「やっぱりね、ただオズの国に最初は忍者はいなかったわ」
「何しろ同じ時代のアメリカの影響を受ける国だから」
モジャボロはオズの国のこの特質からお話しました。
「だからね」
「アメリカに忍者が入って来たのは最近みたいだから」
ジュリアはまた言いました。
「忍者はオズの国にもずっといなかったわ」
「面白いんですけれど、忍者って」
「面白くてもアメリカにいなかったから」
ジュリアは神宝に答えました。
「だからね」
「それで、ですか」
「最近までいなかったのよ、オズの国には」
「わかりました」
「ただ忍者の人達って凄いよ」
ジャックはにこにことしてです、その人達についてお話しました。
「神出鬼没で色々な術を使えて」
「あの格好良さは別格だね」
木樵も忍者についてお話します。
「僕も好きだよ、忍者」
「ああした術ってどうして使えるのかってね」
ジャックが思うのはこのことでした。
「不思議にさえ思うよ」
「あの術は魔法じゃないけれど」
ジュリアは忍術について述べました。
「魔法と同じ位凄いわね」
「忍術はオズの国では禁止されていませんよね」
「ええ、ただ誰も使えるものではないでしょ」
「はい、あの術は」
神宝も忍術についてはこう考えています。
「とても」
「だからオズマ姫グリンダさんみたいな人だけが使っていいものとはされていないの」
「誰でもですね」
「使っていいとはなっているわ」
「そうなんですね」
「けれど忍術は修行するだけでも大変でしょ」
「そのうえで忍術を身に着けるとなると」
オズの国でもです、このことは。
「難しいから」
「それで、ですね」
「オズの国で忍者は少ないの」
「そういうことですか」
「そうなの、あと日系人の人が多いわね」
忍者の人にはというのです。
「日本のものだけあって」
「やっぱりそうですか」
「というか忍者は日本からアメリカに入ったわね」
「はい」
その通りだとです、神宝も答えます。
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