第三幕その八
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それぞれで探しました、そのうえで暫くしてムササビのところに戻りますと。
洋梨や桃以外にも色々な果物がありました、これにはジュリアも驚きました。
「こんなに色々あるなんて」
「あれっ、そうしたのも果物なんだ」
ムササビは自分に出された果物達を見て目を丸くしました。この森で彼が見付けたものばかりでしたが。
「洋梨や桃だけじゃなくて」
「これ食べたことないの?」
神宝はまずはライチを見せてムササビに尋ねました。
「ライチは」
「うん、見たことはあっても」
「食べるものとはなんだ」
「思っていなかったよ」
「じゃあこれも?」
ジョージは柿を見せました。
「そうなんだ」
「何かなって思ってたよ」
「これもなの?」
恵梨香はアケビを見せました。
「美味しいのに」
「何か気持ち悪いなって思って近寄らなかったんだ」
「どれも果物で食べられるから」
カルロスはパッションフルーツを見せています。
「これだってそうだし」
「あの、これ凄く美味しいから」
ナターシャは大好きなキーウィを見せています。
「キーウィも」
「というかこの辺りの果物の種類が増えてるわね」
ジュリアはこのことを知りました。
「前は洋梨や桃だけだったのに」
「うん、そうだね」
かかしも頷きます。
「前はここまで多くなかったよ」
「ここも変わったってことだね」
木樵の口調はしみじみとしたものでした。
「つまりは」
「オズの国も常に変わるから」
ジャックもオズの国のこのことはよく知っています。
「それでだね」
「この辺りの果物の種類も増えたんだね」
モジャボロは笑顔で果物達を見ています。
「そしてムササビ君はこういったものが食べられるのを知らなかったんだね」
「見ていても食べられるとはね」
ムササビもその果物達を見て言いました。
「思ってもいなかったよ」
「全部食べられるから」
ジュリアはムササビににこりと笑って告げました。
「どの果物もね」
「そして美味しいんだね」
「ええ、そうよ」
実際にというのです。
「だから楽しんで」
「うん、それじゃあね」
こうしてでした、ムササビは実際にそういった果物を食べてみました。そのうえで驚いてこう皆に言いました。
「どれも凄く美味しいよ」
「そうでしょ」
「アケビもキーウィもパッションフルーツも」
「そうよね」
「柿も、特にね」
ムササビが一番気に入った果物はといいますと。
「ライチがね」
「あっ、ライチがなんだ」
「一番美味しいよ」
こう神宝に答えるのでした。
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