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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第99話:希望を言えばキリが無い
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じゃないか!」

「だからだ! 俺もリュカさんも、ホザックが火縄銃の情報を全て放棄したとは思ってない。むしろ隠し持って、我が国の新兵器を凌駕させようと画策させていると思ってる」
「じゃ、じゃぁ何で!?」

「我が国の新兵器は、それの情報が無いまま模倣させる事は不可能に近い。連中に出来る事は今ある兵器を発展させる事だけ。つまり連中は我が国に技術力で負けると解っている」
「でも……火縄銃そのものを作り出す事は出来るんじゃないかな?」

「出来るだろう……間違いなく」
「じゃぁ何で!? 我が国に対してじゃなくたって、火縄銃を使用するかもしれないよ? それを放置するつもりなのかい!?」

「放置というか、それを望んでいる。攻め込まれた国には申し訳ないけど、火縄銃を作り出して使用してくれれば、大助かりだと考えている」
「全然解らない。僕は君や陛下と違って凡人だから、全然理解できないよ!」

「現状で我が国はホザックの内政に介入する事は出来ない。当然だが、別の国なんだし互いに介入を許す訳ない。だけど連中が我が国の王のお願い(脅し)を無視して、火縄銃の情報を全て放棄して無い事が分れば、それを理由に軍事行動を起こし、ホザックを制圧する事が出来る。勿論、あの国を手に入れる事が目的じゃ無い……武器の情報奪還と、奴隷制度の廃止を強制する事が目的だ」

「では、兵力を引き上げる意味は?」
「出来る事なら、他の国に迷惑をかけたくない。グランバニアに攻め込んでもらえる方が助かる。だから国境線をガラ空きにするんだ。まぁ国境線と言っても、あの国と地続きで接して無いから、付近の艦隊撤収と、一番近場の基地の兵力引き上げになるけどね」

流石に無表情を維持できず、畏怖の目で俺を見つめるレクルト。
俺としては、もっと穏便に事が運ぶと思ってた……だけど希望通りに行かない事が判り、酒をかっ食らって酔いつぶれてしまったのだ。

「解ったよ……戻ってピピン閣下に伝えとく」
「そうしてくれ。……ああ、そうだ。昨日の事で礼なら不要だよ」
突然の言葉に『はぁ?』と言わんばかりの表情をするレクルト。

「俺がベラベラ機密事項を暴露したから、リュカさんがサビーネの店をおもいっきり脅したろ。これであの貧乳キャバ嬢から、強引に誘われなくなるだろう。彼女が出来て金が必要だろ?」
昨晩の事を思い出し、複雑な表情で俺に視線を送るレクルト。

俺は酔い潰れていたから、リュカさんが如何な脅しをしたか分からない。
だけどリュカさんの脅しだから、多分物凄い脅しだったんだと思われる。
内容は聞かない方が良いだろうと俺は思ってるし、きっと連中も言いたがらないだろう。

俺としては後でサビーネに会って、あの女が如何な顔をするのか楽しみだ。
恐怖の表情を浮かべるのか、嫌悪
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