第3章 リーザス陥落
第98話 魔人ノス vs 黒髪のカラー ハンティ
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「の、ノスッ……!? 貴様何を…… いや、今まで何をしていた!!」
「何と言われても…… 普段とは変わらぬが」
「ええい……まぁいい! 魔人どもの力で、皆殺しにしてこい!!」
パットンは現状が全く見えていない、と言うのだろうか。唯一の策を潰された現状も視えていない。見えているのは、傍に佇み 既に臨戦態勢を整えていたハンティのみだった。
「断る」
低く重いノスの声がこの場に響く。
決して大きい声ではない。それに喧騒が響く城内だと言うのに…… その声ははっきりと聴きとれた。
「っ、な、なんだと………!?」
頭巾で覆われた顔で表情は殆ど見えないのだが、ノスの表情は判る。うすら笑みを浮かべているであろう事が。
「時は来た。……そろそろ貴様らは用済みだ」
「…………!」
「少々曲折は経たが……儂の計画通り、リーザスの後継者がカオスを解き放つ。貴様らには最早退場して貰っていい。……計画に支障はないが うろちょろされても目障りだ」
無情にもそう言い放つノス。今までの声と大して変わっていないが、その内容と行動、そして携えた雰囲気は間違いなく物語っていた。パットンにも判った。魔人は裏切るのだと言う事を。
「なんだと、貴様…… 貴様、裏切るのか!?」
「………くくっ」
ここで初めて明確にノスは笑みを浮かべていた。その口許の髭が侮蔑に揺れる。
「お、おのれ……!」
「王女は渡せん。……それにな。連中を妨害されても最早困るのだ。無能な裸の王よ」
ぞわりと、さっきがにじみ出る。侮蔑には耐えがたい屈辱だったが、それでも魔人が放つ殺気。ただの一言でも反論するのに時間が掛かってしまった。
「……となればだ。邪魔は貴様らだな。……パットンよ」
明確な殺意。強大な殺意がパットンに向けて放たれたその瞬間に、硬直していたパットンの中の時が動き出した。
死にたくないと言う生存欲が時を動かしたのだ。
「は、ハンティ! ハンティ!! こいつを片付けろ!!」
唯一にして、パットンの最大の戦力。そのカードを今切った。
そして、今はこんな男でも……、身内の自分から見ても最悪な皇子だったとしても、それでも守ると誓った。今際の言葉を 確かに訊き、受け取った。親友との約束を守る為に ハンティは ノスと殆ど同時に動きだした。
「ったく、言わんこっちゃない……? α、β、γ、δ!」
パットンを庇うように進み出たハンティが、叫ぶと同時に魔力を放射する。
すると、巧妙に隠されていた四隅の鉄人形が立ち上がった。
「ほほう……。これは」
「はぁぁっ!!」
見た事の無い術に 暫し関心を覚えたノスであるが、直ぐにその表情は変わる。
ハンティの持ち得る強
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