第3章 リーザス陥落
第98話 魔人ノス vs 黒髪のカラー ハンティ
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マンの男故に備わっている。その為派手に壊れ、吹き飛ぶが この場においてそれくらいの力は何の意味もなさないのはよく判る。
「ぬうああああああぁぁぁぁぁっ! くっ、がっっ!! ぐおおおお!!」
「…………」
それでも叫び続ける事しか出来なかった。
そんなパットンに何の言葉をかける事もなく、ハンティはただただ見守っていた。癇癪を起す子供を見る様に……。
「あ、あぁ……」
軈ては 暴れる力も失せてゆき、最後に謁見の間の上質なカーテンを引き千切り、精巧に作られたガラス状のテーブルを叩き割る。
つい数日前までは、その上で女を裸にひんむき 欲望のままに使っていた玩具も全て破壊した。
「はぁ、はぁ、……ぜぃ、ぜぃ……… ……っっ! そ、そうだ!」
ここでパットンは1つの事を思い出す。
思い出す切っ掛けになったのは、リーザスの女たちを嬲る為に用意させた玩具を壊した時だ。この城内で 絶える事なく 責め続けられている者達がいる事を思い出したのだ。
「そうだ。まだいた! 王女だ。王女が城内にいる! 引っ張り出して盾にするんだ!」
「あ……え、リーザスのリア王女ですか?」
「他にいるか馬鹿が! 牢獄から引っ張りだして、バルコニーにでも晒せ!」
「は、はい……!」
それは有効な策である事は伝令兵にも理解出来た。最早 それ以外に有り得ないと言う事も。リーザスの奪還が連中の悲願であり、その中には間違いなくリーザス象徴とも言えるリアの存在もあっただろう。王女を盾にすれば まだまだ交渉の余地はあり得る。
敗戦は確実だが、少なくとも生きて脱出できる可能性はあるからだ。
「犯しながらでも……。いや、なんなら殺してしまっても構わんぞ! リーザスの連中に 目にものを見せてやるのだ! 痛い目を合わせてくれる!」
だが―――ここで パットンはまたミスを犯した。
このミスは、パットンの愚策の為ではない。……ただ、パットンがこれから指示する内容が、この男とっては、最も困る事だったからだ。追い詰められたパットンが下した采配はこの現状においては極めて有効だと言えるが……、それでも 極めて悪手でもある。
パットンの指示通りに動こうとした伝令兵は。
「ぐべっ……!?」
直ぐに絶命する事になった。
その頭蓋が粉砕されてしまった為の即死。伝令兵の頭よりも遥かにデカい手に捕まれ、そのまま握りつぶされたのだ。
そう、この場にいるのは 人間だけじゃない。この場には もう1つの悪が。全人類にとっての絶対悪が存在していた。
そう――魔人ノスの存在である。
「それは困る」
無造作に握りつぶし、辛うじて皮一枚で繋がっていた身体をパットンの方へと放り投げる
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