第三幕:ふたつの虹とふたつの心
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夏ちゃんと出会ってその考えを払拭させられそうである。しかし、七夏ちゃんを撮影したいという想いと、七夏ちゃんの写真に対する反応を考え、気を使わなければならないという相反する感情とが衝突し、どうしたら良いのか分からなくなってきた。
あれから、結構な時間が経過しているような気がする・・・が、この街の時間は「ゆったり」なので、俺が単に焦っているだけなのかも知れない。何か七夏ちゃんが喜んでくれそうな事はないか考え・・・
・・・トントン・・・ドアをノックする音がした。
七夏「七夏です。柚樹さん居ますか!?」
時崎「はい!」
俺は、少し慌て気味にドアを開ける。
七夏「すみません。お待たせしました」
七夏ちゃんは民宿風水の浴衣から薄緑色のワンピースに着替えていた。
時崎「あ、わざわざ、着替えてたんだね」
七夏「はい。街へお出掛けですので♪」
七夏ちゃん自身にとっては、何時もの事なのかも知れないが、俺は嬉しく思う。今朝、再会した時、七夏ちゃんは浴衣姿で「ただいまぁー」と言っていたから、浴衣姿のまま外出でも不自然ではないからだ。
七夏「? どうかしました?」
時崎「あ、ごめん。その服、よく似合っているよ」
七夏「ありがとうございます! では、案内いたしますね!」
俺の言葉を素直に受け入れてくれる。流石と言うか、褒められ慣れしているかのように。俺は七夏ちゃんの心が少し分かってきた。それと同時に、七夏ちゃんの少し思わせぶりな心が分からなくなってきた。二重人格とは違う「ふたつの心」に、俺はどのように接したらよいのかという想いに揺られながら・・・もう少し「このまま」を望むのだった。
第三幕 完
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次回予告
自然な事を自然であると意識した時点で、それは、本当に自然な事と言えるのだろうか?
次回、翠碧色の虹、第四幕
「自然な虹の輝き」
自然に振舞う少女と、自然になれない自分・・・この距離間が、もどかしい!!!
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