第三幕:ふたつの虹とふたつの心
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おいしいよ! 七夏ちゃん!」
七夏「ありがとうございます! よかったです!」
俺は、食事をしながら、以前に撮影した写真の事を考える。
時崎「七夏ちゃん。この近くに、写真屋さんって、あるかな?」
七夏「写真屋さんですか!? えっと、駅前の商店街にあったと思います」
時崎「ありがとう。後で出掛けてみるよ」
七夏「お買い物ですか!?」
時崎「この前撮らせてもらった七夏ちゃんを、写真にして渡そうと思ってね」
七夏「私の写真・・・ありがとう・・・ございます・・・」
俺は、単純に七夏ちゃんを撮影した写真を渡したいと思っただけなのだが、やはりイマイチな反応である。
七夏ちゃんは写真があまり好きではないのかと、訊いてみたかったが、俺はちょっと話題を逸らす。
時崎「あと、Flash WiFiも買っておこうかなと」
七夏「ふらっしゅ・・・?」
時崎「あ、メモリーカードの事」
七夏「あ、メモリーカード、分かりました。私も駅前の方に、お買い物がありますので、もし良かったら、写真屋さんに案内いたします」
時崎「え? いいの?」
七夏「はい!」
俺と七夏ちゃんは、食事を済ませる。
時崎「ごちそうさまでした」
七夏「はい。ごちそうさまです。私、お片づけがありますので、後でお部屋に参りますね」
時崎「ありがとう」
凪咲「あら、もうおしまいなの?」
時崎「あ、凪咲さん。ごちそうさまでした」
凪咲「いえいえ。お粗末さまでした」
俺は、挨拶をした後、部屋に戻り、出かける準備をする・・・と言っても、大してする事がないので、MyPadでこの街の情報を集めてみる・・・。この街は、比較的小さな街で一言で言うなら田舎だが、隣町(列車で一駅)は色々と賑やかそうで都市近郊という印象だ。その事は、この街に来るまでに列車内からも見ていたはずだが、何せ駅間が結構長い・・・。トンネルも長く、誰かの言葉を借りるなら『長いトンネルを抜けると、そこは碧い港町だった』という印象で、隣の駅まで20分くらいかかっていた。列車の速度が遅い・・・というのもあるかも知れない。何せ、時間がゆったりと過ぎてゆく感覚で、それが心地よい。田舎に来て「何もない」という言葉を聞く事があるが、それは、何にも気付いていないだけなのではないだろうか・・・。俺はこの街に来て不思議なふたつの虹に出逢えた。その不思議な虹は、とても繊細で、俺自身まだ動揺している。いつ、その虹の事について話そうかと言う事に・・・。今までの七夏ちゃんの写真に対する反応からすると、過去にその瞳の事で色々と質問攻めにあっていても不思議ではない。俺は、そのような自分の要求を満たす為だけの質問攻めの人になってまで、七夏ちゃんの虹に迫りたくはないと思っている。あまり人物の写真を積極的に撮影しようと思わなかったが、七
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