第三幕:ふたつの虹とふたつの心
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言っても少し広い和室なのだが、そこには既に色々な前菜が並んでいて民宿と言うよりも、旅館/料亭のコースメニューのようだ。
七夏「柚樹さん。お席は、こちらになります☆」
時崎「これは、豪華! 料亭みたいだ!」
七夏「ありがとうございます。お料理を持って参りますね」
時崎「ありがとう」
凪咲さんと七夏ちゃんがお料理を持ってくる。
凪咲「いらっしゃいませ。今、火を入れますね」
七夏「はい。柚樹さん。どうぞ☆」
七夏ちゃんは、お茶を煎れて、次に「おにぎり」を用意してくれた。
凪咲「それでは、ごゆっくりなさってくださいね」
七夏「おかわりは、ご遠慮なくです☆」
時崎「ありがとうございます。お二人は、お昼食べないのですか?」
凪咲「ありがとうございます。私は、先に頂いております」
七夏「えっと、私はこの後、頂きますので」
時崎「じゃあ、七夏ちゃん。一緒にお昼食べない!?」
七夏「え!?」
七夏ちゃんは、少し驚いた様子だが、その後、凪咲さんの方へ視線を送る。
その行動は、俺をお客様と認識しているからだろうか・・・少し切ない気持ちになるのは、何故だろう・・・。凪咲さんは、優しく笑みを浮かべる。
凪咲「柚樹君、ありがとうございます。七夏、一緒にお昼、頂きなさい」
七夏「はい!」
その後、七夏ちゃんは笑顔で返事をしてくれた事が、先ほどの切なさを、こそばゆさに変えてくれた・・・嬉しいが、これはこれでなんとも言えない感覚だ。
七夏ちゃんは、手際よく自分の料理も用意し、こちらに視線を送ってきた。最初、その視線の意味が分からなかったが、こちらの「いただきます」を、待っているという事に気付いて、なんか自分の気の利かなさが情けなくなってくる。
時崎「いただきます!!」
七夏「いただきまーす♪」
俺の声に続いて、七夏ちゃんも挨拶をする。
時崎「おいしい!! 凪咲さん流石、料理上手だね」
七夏「はい! ありがとうございます!」
・・・続いて、おにぎりも食べてみる。
・・・!! これも、良い味加減だ。
時崎「この、おにぎりも良い味加減で、おいしいよ!!」
七夏ちゃんも、おにぎりを口に運び、
七夏「よかった! 上手くできてます!」
その言葉に、俺は反応する。
時崎「このおにぎり、七夏ちゃんが作ったの?」
七夏「はい! おいしく出来てよかったです!」
・・・何か急に胸が熱くなった・・・。
時崎「七夏ちゃんも、お料理得意なんだね」
七夏「私は、まだまだです」
時崎「他にも何か作っているの?」
七夏「はい。えっと、こちらの玉子焼きと、ほうれん草のおひたしになります」
それを訊いて、早速俺は玉子焼きと、おひたしを食べてみる。
時崎「どっちも
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