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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第98話:夜分の呼び出しは厄介事の定番
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性は知ってるだろうけど、今回彼が落ち込んでるのは、自らの陰謀で巻き起こしてしまう暗い未来についてだと思うよ」

王子様は本人の目の前でも構わず『惨忍』と評する。
信頼関係が固いのか、このボンボンが疎いのか判らないが、陛下が寂しそうな顔をしても気付く様子はない。

「しかしウルフ君がこんなにも落ち込むなんて……その新兵器は、そんなにも恐ろしい武器なのですか?」
「お前には明日にでも見せてやるけど、新兵器が恐ろしくてウルフが落ち込んでるんじゃない」

「……では何が原因ですか?」
「今回の武器は僕が知ってる恐ろしい兵器へ発展する、足掛かりの一部に過ぎないって事だ。ウルフには現状の兵器ですら、想像の遥か上空を行く物だった……なのに、更なる発展を遂げれば、もっと恐ろしい武器が誕生する可能性がある。その事に気付き、取り返しのつかないことをしたと落ち込んでるんだよ」

「僕は新兵器を見てませんけど、そんなに恐ろしいんですか? そして更なる発展なんてするんですか?」
現在の武器の事は宰相閣下から聞いただけだけど、私もこれ以上発展することがあるとは想像できない。陛下の思い過ごしではないのだろうか?

「発展しなきゃ良いとは思うけど、実際に僕は知っちゃってるからね……もっと凶悪な兵器の事を」
何で陛下はそんな恐ろしい物の事に詳しいのだろうか?
聞いても教えてくれないだろうなぁ……

「父さんが言うのなら間違いないのでしょう……ですが良いのですか? そんな危ない情報を、こんな酔っ払いが大勢居る場所で話しちゃって?」
……そう言えばそうよね。宰相閣下も、こんな場所(キャバクラ)で吐露しちゃダメだって気付かなかったのかしらねぇ?

「良いんじゃない……話を聞いてた連中の、顔も身元も分ってるんだし、もし他所で今回の話題が出てたら、馬鹿みたいに喋ったのはこの連中だってすぐに判明する」
「まぁ判明はしますけど、喋った内容は拡散しますよ」

「そうだね……この連中が喋っちゃったら拡散するね」
「……………」
陛下は今回の事が他所に広まっても問題無いと思ってるの?

「へ、陛下……わ、我々は今日の事を他言しません。絶対に!」
陛下と殿下が目を合わせずに、ただジッと無言でいる事に何か気付いた店長が、凄く緊張した声で他で言う事を否定した。何を慌ててろのかしら?

「父さん……彼等が他所で言い触らしたからって、処刑しようなんて思ってませんよね?」
しょ、処刑!?
ちょ……冗談じゃなわいわよ! この平宰相が勝手に愚痴っただけじゃない!

「そこまでは思ってないよ。情報的な面で言えば、(いず)れは知られる事になる情報だし、武力強化の情報は知れ渡ってこそ他国への牽制になるからね……」
び、びっくりしたぁ……殺されるのかと思っ
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