暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第98話:夜分の呼び出しは厄介事の定番
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


二進も三進も困り果てて、レクルト君が平宰相の道具を使って王子様に連絡を入れてから30分……
助け船としてティミー殿下が店に来てくれた……パパを伴って!
ちょっと待ってよ。陛下には言い辛いからワンクッションとって殿下に連絡したのに、何で言っちゃうのよ?

レクルト君も顔を強張らせてるじゃない。王子様だけが来れば良かったのよ!
あれか? 王子様一人じゃ何も出来ないから、パパに助けを求めたのか!?
使えねー! この王子、(すげ)ー使えねー!!

「悪いね陛下も呼んじゃって。現在の立場的には、ウルフ君は僕より上位者だから、更なる上位者を呼ばないとならないんだよ」
「い、いえ……その通りですね殿下。ただ夜のお寛ぎ中に連絡してしまった事が申し訳なくて……」

王子様なのに、平宰相の方が上司なの?
そんな感想をキョトンと思い浮かべてると、エリザベートが私にコッソリ耳打ちしてきた。
「殿下は未来の王様だけど、今は外務大臣として政務に就いてるの。だから国家のナンバー2の宰相閣下の方が上なのよ」

なるほどね。
流石はこの店のナンバー1キャバ嬢。
ちゃんと政治の事についても勉強してるみたいだ。

私としては城にも働きに行ってるが、普段の言動を見ちゃってるから、ナンバー1が王様って事以外、正直解りにくくなっちゃてるわ。
だって周囲の兵士やメイド等も、殿下には恭しくしても宰相にはタメ口だったりしてるんだもん。

「さてと……取り敢えず水割りを薄めで貰おうか」
「あ、じゃぁ僕は前に来た時に飲んだ、ピンクの美味しかったヤツを……」
ちょ、ちょっと……潰れた宰相を迎えに来ただけじゃないの? 飲んでいくの!?

「おいティミー……あの酒は目出度い事があった時に飲む酒だ。今日は真逆だろ……ウルフが酔い潰れるほど凶事が巻き起こった日なんだぞ。お前も水割りで我慢しろ」
「はぁ……お酒って飲むのに色んな理由が有るんですか。普段飲まないので知らなかったです。そういう事でしたら、父さんのと同じ物で良いですよ」

本当に飲んでいくの!?
何で? だって宰相閣下は酔い潰れてるのよ! これ以上スキャンダル的な事が巻き起こる前に、酔っ払いを回収して帰るのが得策じゃないんですか?

「あの……殿下は……今日何があったのか……」
「うん。この店に来る途次聞いた。リュリュが不機嫌な訳だ」
あの話を聞いて“不機嫌”で済むんですか?

「殿下はショックを受けてないですけど……」
「まぁ付き合いが長いからね、父さんとは。小さい頃から世界中を旅してきて、怖い面も見てきたし」
それはそうでしょうけど……

「ですがウルフ君も何度か陛下と旅をしてましたよね? 何でこんなに落ち込んでるんですかね?」
「確かにリュリュと違って、陛下の惨忍
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ