ターン77 鉄砲水と五行の竜魂
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これで最悪、稲石さんがいざとなれば皆をこの廃寮から逃がしてくれるだろう。
「いいだろう、今回の相手は君1人か」
「そーいうことになるんじゃない?またまた返り討ちにしてあげるから、楽しいデュエルと洒落込もうよ」
相変わらずのグラサンのせいで表情が読めないその顔に向けてニヤリと笑いかけ、クイックイッと指を曲げて挑発する。だいぶダメージを受けたらしいオネストのことも心配だけど、だったらなおさらここで負けるわけにはいかない。これまでのミスターTは連敗続き、そろそろ敵も本腰を入れてくる頃だろう。
「「デュエル!」」
「私の先攻だ。魔法カード、ドラゴン・目覚めの旋律を発動。手札を1枚捨て、デッキから攻撃力3000以上かつ守備力2500以下のドラゴン族を2体まで手札に加える。私が加えるのはこのカード、混沌帝龍−終焉の使者−2体。そして魔法カード、調和の宝札を発動。手札から攻撃力1000以下のドラゴン族チューナー、亡龍の戦慄−デストルドーを捨て、カードを2枚ドローする」
あの開闢の使者と対となる、フィールドのみならず互いの手札までもを全て墓地送りにする壮大なリセット能力を持つ超大型ドラゴン、終焉の使者。その特殊召喚には開闢の使者と同様、墓地に光属性と闇属性の2体存在しなければいけないけれど……すでに墓地には闇属性のデストルドー、そして目覚めの旋律で捨てられた手札コストが1枚。
正直とても嫌な、予感がする。
「墓地の光属性モンスター、星間竜パーセクと闇属性モンスター、デストルドーをゲームから除外することで、このカードは特殊召喚できる。出でよ、混沌帝龍−終焉の使者よ」
「やっぱり……!」
混沌帝龍−終焉の使者− 攻3000
案の定、1ターン目から出てくる最上級モンスター。ただ幸いなのは、このターンがまだ先攻1ターン目だということだ。こちらのターンに何かする効果を持っていないのなら、なんとでも処理できる。
「魔法カード、黄金の封印櫃を発動。デッキからカード1枚を除外し、2ターン後のスタンバイフェイズに手札に加える……だがあいにく、そこまで待つつもりはなくてね。魔法カード、原初の種を発動。私の場に開闢の使者か終焉の使者が存在するとき、除外されたカード2枚を選択して手札に加える。先ほど除外したパーセクと、今除外した未来融合−フューチャー・フュージョンを回収し、そのまま発動。次のターンのスタンバイフェイズにこのカードが残っていれば融合素材をデッキから墓地に送り、さらに次のターンでも残っているならばその融合モンスターを融合召喚する」
黄金の封印櫃と原初の種のコンボにより、パーセクを手札に戻しつつデッキに眠っていた未来融合を即座に加えるミスターT。なんとも嫌らしい一手だ、なんとし
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