Lv58 眠れる城の貴族
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、皆様は安心してくだされ。このヴァロム・サリュナード・オルドランが命に代えて、必ずや、無事、救出いたしますからの」
その直後、王族や太守達から安堵の声が聞こえてきた。
【な、なんだ……そうであったか】
【ヴァロム殿がそう言われるのであれば、それほど心配はなさそうだ】
【うむ。我が国が誇る賢者ヴァロムが、ここまで言うのだ。そこまで心配した事ではないのかもしれぬ】
【オルドラン卿よ、娘を頼んだぞ!】
なんでもない事のようにヴァロムさんが話してくれたので、とりあえず、この場はなんとか治まりそうだ。
イシュマリアきっての最強宮廷魔導師の肩書は、今も尚、健在である。
ヴァロムさんが積み上げてきた信用は、伊達じゃないようだ。
と、ここで、貴族の男が1人、ヴァロムさんに近寄った。
「ヴァロム様がそう仰るという事は、かなり自信がおありなのですね。我が父リジャールが、以前、言っておりました。ヴァロム様は、出来ないことは絶対に口にしないと……。今の話を聞いて、私は希望が持てましたよ」
「うむ。レオニス殿にそう言っていただけると、私もありがたいですな」
「これよりは、私も及ばずながら、ご助力致します。共に、この困難を乗り切りましょうぞ」
「ありがとう、レオニス殿」
どうやら、この人が、リジャールさんの息子なのかもしれない。
体型や顔立ちはリジャールさんと似ている。髪型もリジャールさんと同じで坊主頭であった。髪の色は白ではなく、流石に赤い色だが……。
(この人が息子さんならば……あの謎が解けるかもしれない。とにかく訊いてみよう……)
俺はそこでレオニスと呼ばれた人に近づき、声をかけた。
「あの、すいません。ちょっとお聞きしたい事があるのですが」
「ン? そなたは確か……」
レオニスさんは俺を見て少し戸惑っていた。
面識がないから、この反応は仕方がないだろう。
と、ここで、ヴァロムさんが話に入ってくれた。
「ああ、この男はコータローといいまして、弟子の1人ですわい。ところで、コータローよ、聞きたい事とはなんじゃ?」
「聞きたいのは、コレについてです……レオニス様が製作したとお聞きしたので」
俺はそこで、審判の間で回収したブツをレオニスさんの前に出した。
「ン? コレは……確かに、これは私の作ったモノだが……コレの何が知りたいのかね?」
「実はですね……」――
俺はそこで疑問に思ったことを幾つかレオニスさんに訊ねた。
すると俺の予想通りの答えが返ってきたのである。
俺は念の為に、もう一度確認しておいた。
「そ、それは間違いないのですね? 仕様上、必ずそうなるのですね?」
「うむ。無論だ。あれは猊下の為に作ったモノなのでな。逆に言えば、猊下以外は使えぬ代物だ」
「そうなのですか。ありがとう
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