Lv58 眠れる城の貴族
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と、ここで、アヴェル王子が俺の所にやってきた。
「コータローさん、さっきの光を放った鏡の事と、レヴァンの件でお話があるんですが……ン? ソレは……ソレがどうかしたのですか?」
「ええ、少し気になる事が……」
「それは一体……」
「まだ確証は持てませんので、なんとも言えないです。が、その前に、ちょっと確認したい事があるんです」
「確認したい事?」
俺はそこでアヴェル王子を見た。
王子の額や腕には、戦闘で出来たであろう、傷や火傷が幾つか確認できた。
ある意味、うってつけの人物であった。
(この際だ……アヴェル王子に少し手伝ってもらおう)
「ところでアヴェル王子、陛下のデインや魔物の攻撃を受けたようですが、治療の方はまだしてないようですね」
「ええ、そうですが……」
「ではちょっと、回復魔法の実験に付き合ってもらってもいいですかね?」
アヴェル王子は首を傾げた。
「回復魔法の実験? 一体何をするのですか?」
「それは、実験が終わった後、お話しします」
「そうですか、わかりました。で、一体何をすれば?」
俺は王族がいた観覧席を指さした。
「教皇が演説していた所に、紺色の太い紐のようなモノがありますんで、それを握ってもらえますかね?」
「紺色の太い紐? よくわかりませんが、良いですよ。それを握ればいいんですね?」
「はい、お願いします」
「では」
アヴェル王子は早速、観覧席へと向かった。
続いて俺は、魔導の手を使って観覧席の手摺りから1階へと飛び降り、ロープの終端部へと移動したのである。
俺が目的地に着いたところで、アヴェル王子の声が聞こえてきた。
「コータローさん、コレですね?」
王子は紺色のロープを手に取り、俺に見せた。
「ええ、それです。ではちょっと待っててくださいね」
俺はロープに魔力を込め、呪文を唱えた。
「ホイミ」
するとその直後、アヴェル王子の身体が、淡い癒しの輝きに包まれたのである。
アヴェル王子の驚く声が聞こえてくる。
「こ、これは回復魔法……今のはコータローさんが?」
「はい。俺が今、ホイミを使いました。ありがとうございます、アヴェル王子。これで実験は終了です」
俺はそこで右手のブツに目をやった。
(……今の実験結果が意味するところは1つ。あとは……コイツが俺の思った通りならば……謎は解けたも同然だ……ン?)
と、その時、数名の慌てた魔導騎士達が、観覧席の出入り口に姿を現したのである。
現れた魔導騎士の1人が、大きな声で呼びかけた。
【ヴァリアス将軍ッ!、ディオン様ッ! た、大変ですッ! 太守の皆様がッ!】
「何があった?」と、ヴァリアス将軍。
【至急、こちらに、いらしてください!】
ヴァリアス将軍とディオンさんは顔を見合わ
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