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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv58 眠れる城の貴族
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 審判の間にいる魔物達の掃討が終わったところで、俺は眠っている近衛騎士達を起こしていった。
 負傷している者もいたが、とりあえず、全員、無事なようであった。
 またその際、俺は責任者と思わしき近衛騎士に、国王のサークレットを外すよう進言しておいた。
 魔物達に操られていた原因が、それにあるような気がしたからだ。
 近衛騎士は快く俺の言葉に頷いてくれた。
 色々とあったので、俺の言う事でも信用してくれたのだろう。
 そして、近衛騎士達は横たわる国王を介抱し、周囲を警戒しながら、この場を後にしたのであった。

 話は変わるが、俺にモシャスしたラーのオッサンは、既に鏡へと戻っており、ヴァロムさんに回収されていた。
 戦いのドサクサに紛れてモシャスを解いたようだ。
 つーわけで、話を戻そう。

 俺は国王を見送った後、崩れた壁の向こうに広がる外の景色に視線を向けた。
 壁の向こうは大神殿の中庭となっていた。
 中庭には、たくさんの魔導騎士がおり、魔物達と交戦しているところであった。
 ちなみに魔物は、レッサーデーモンやオーク、そして、キラーエイプといったところだ。
 それほど数も多くない上、強くもない魔物なので、すぐに戦闘も終わる事だろう。
(さて、これからどうするか……。アーシャさんやサナちゃん、アルシェス王子にフィオナ王女、そして、ミロン君……早く助けたいところだが……魔物達の思惑は恐らく……。とにかく、ヴァロムさんと相談するしかない)
 俺はそこで、ヴァロムさんのいる方向に視線を向けた。
 と、その時である。
(ン?……なんだありゃ……)
 艶のある紺色のロープみたいなモノが、俺の視界に入ってきたのである。
 場所は、教皇が演説していた辺りであった。
 気になった俺は、そこへと移動し、恐る恐るそれに手を触れた。
(見たところロープのようだが、何に使ったモノだろう……。この観覧席は王族がいた所だから、何かのセッティングで使ったモノだろうか……)
 このロープの伸びている先を目で追うと、観覧席の手摺りの所から1階へと降りていた。
 俺は手摺りへと移動し、ロープの行先に目を向けた。
 すると、ロープは1階の右側壁伝いに伸びており、中間付近まで行ったところで、終わりとなっていたのである。
(あそこまで伸びているが……一体何のロープだ? 反対の左側の壁にはこんなロープはない……。何か引っかかる……あの辺りは確か……ハッ!?)
 そこで俺の脳裏にある事が過ぎった。
 それは、俺が今、一番疑問に思っている事についてであった。
(もしかすると、このロープは……)
 俺は魔導の手を使い、レヴァンと対峙した場所へと移動した。
 そして、その場に転がっている、あるモノを拾い上げたのである。

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