Lv57 魔物の逆襲
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き、俺はレヴァンに軽く悪態を吐いてやった。
「さぁね。でも、知ったところで意味ないかもよ。どの道、お前の人生はここで終わりだろうしね」
「チッ……」
レヴァンは後ろを振り返る。
すると奴の背後には、数名の王族と、それを誘導する護衛者達が迫っていたのである。
つまり、レヴァンは挟み撃ちの形に嵌ってしまったのだ。
話は変わるが、後ろにいるのは多分、国王だろう。
他の王族と違って、装飾がまるで違う。金で縁取られた赤いマントを羽織り、その下にある白地のローブには、金と銀で刺繍された王家の紋章が描かれている。そして頭には、光を象った豪華な冠とサークレットのようなモノを被っているのである。
体型も長身であり、おまけに結構筋肉質であった。髭を生やしているが、アヴェル王子のように端正な顔立ちをしている。
しかし、今はどこか虚ろな表情をしている為、威厳というものは全く感じられない。恐らくこれが、おかしいと言われる所以なのだろう。
話がそれたが、誰が見ても王様と答える出で立ちをしていると言いたかっただけである。
つーわけで、話を戻そう。
国王を護衛する最前列の近衛騎士が剣を抜いた。
【レヴァン! 貴様、魔物に国を売ったな! この場で償ってもらうぞ!】
続いて、紺色の法衣を身に纏う、位の高そうなアラフィフの宮廷魔導師が口を開いた。
【主任宮廷魔導師として、お前を討たねばならん。覚悟してもらおう……レヴァンよ】
さっきヴァロムさんとやり取りしてた人だ。
恐らく、この人が、ヴァロムさんの息子であるディオンという人だろう。
ちなみにだが、赤毛の長髪で、長さはヴァロムさんと同じくらいであった。口や顎に髭を生やしているが、ヴァロムさんみたいな長い顎髭ではない。欧米人がよくやる普通の髭である。
全体的に中肉中背の体型で、顔の輪郭や口元等はヴァロムさんとそっくりであった。その辺は流石に親子といった感じだ。
まぁそれはさておき、レヴァンはディオンさんの言葉を聞くなり、意外にも不敵な笑みを見せた。
「クククッ……ディオン様もいらしてたのですか。謹慎中でしたので、てっきり、屋敷で寝ているのかと思ってましたよ。しかし、残念ですね……オルドラン家をもう少しで失墜させることができたのに。クククッ」
「それは残念だったな。では逆賊として、討たせてもらうとしようか!」
ディオンさんの体がオレンジ色に輝く。
と、次の瞬間、レヴァンの周囲に黄色い霧が纏わりつくと共に、メラミと思われる1つの火球が襲い掛かったのである。
だがしかし、ここで意外な事が起きた。
なんと、黄色い霧と火球が奴に到達した瞬間、突如フッと消え去ったからだ。
(今のは魔生の法か……。だがそれよりも、レヴァンの前で魔法そのものが消え去った……何なん
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