Lv56 真実の姿 ( i )
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この国を代表する敬虔なる信徒諸君! 本日はお忙しいところ、この儀に御参加いただき、誠にありがたく思っております。皆様の御参加に、アズライル猊下も大変喜んでおられます。さて……それでは、時間になりましたので、これより、この罪深き者達の異端証明の儀を執り行いたいと存じます! 儀の進行はイシュラナ大神殿・神殿管理官である私、ザムドが担います。では、主任異端審問官・マスケラン殿、罪状の報告を!】
このフロアの壁際に佇む、紺色の衣を着た神官の1人が、巻物みたいなモノを手に持ち、祭壇へとやってきた。
俺達と祭壇の間に割って入る形で、その神官は立ち止まる。
そして巻物を広げ、正面の観覧席に向かい、声高に読み上げたのである。
【では主任異端審問官である私、マスケランが、罪状の報告さていただきます。まず、異端者ヴァロム・サリュナード・オルドランの罪状について……光の女神イシュラナと光の御子イシュマリアへの度重なる暴言による冒涜行為であります。ヴァロム殿の行動は、多数の目撃者のいる中で行われており、言い逃れできる余地のないモノでございます。そしてこれは、光の聖典に記されている女神の意思全てを否定する、重大な異端行為にあたります。よって、我等、異端審問官とイシュマリア司法院との審議の結果、この者を異端階級で最も重い『破戒の徒』と認定する事と相成りましたので、ここに報告させて頂きます。また、もう1人の異端者コータローは、ヴァロム殿の異端である策謀に加担し、組み従う者である為、これも共謀の破戒の徒として認定した次第であります。私からは以上でございます】
異端審問官は読み終えると、元の位置に下がった。
そこで、最初の神殿管理官が口を開いた。
【マスケラン殿、ご苦労であった。さて、諸君! 罪状は以上である。異論のある方は、挙手を持って示していただきたい】
手を上げる者は皆無であった。
明日は我が身と考えているのが殆どだろう。
異端審問官とイシュマリア司法院の名の元に下された判決である為、これに逆らうのは、この国のすべてを否定するに等しい行為なのかもしれない。
事実、彼らの表情は沈痛な面持ちではあるが、神官達に目をつけられないよう、下を俯く者ばかりであったからだ。
誰も手を上げないのを確認したところで、神殿管理官は声高に告げた。
【では異論もないようなので、皆様の信任を得たという事で進めさせて頂きます。さて、では次に、この罪深い異端者にふさわしい贖罪の方法ですが、これはアズライル猊下を始め、八名の大神官や各神殿の神官長等とで検討を重ねた結果、次のようになりましたので、私から皆様にお伝えをしたいと思います】
神殿管理官はそこで周囲の者達の表情を見回すと、簡潔に告げた。
【……異端者ヴァロム・サリュナード・オルドランと、その弟
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