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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv55 怒涛の羊たちの沈黙
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魔導の手とよく似た機能を持っているみたいですね。とはいえ、その力は魔導の手を軽く上回るそうですが」
「ふぅん……なるほどね。猊下専用の武具って事か……」
「らしいですよ。レオニス殿の話だと、猊下の魔力以外反応しない特別製の杖だそうです」
「へぇ……」
 その後、俺達は色々と話をしたが、ヴァロムさんが無視を決め込んでることもあり、他愛ない会話をするだけであった。
 そして面会時間も終わり、フィオナ様はこの場を後にしたのである。


   [W]


 面会時間が終わり、1階に上がってきたフィオナは、2人の従者と共に、イシュマリア城内の通路を無言で進んでゆく。
 通路を歩くフィオナの表情は冴えなかった。肝心な事が何も聞けずじまいだったからだ。
 そしてフィオナは歩きながら、尚も考えていたのである。地下牢の2人の事を。
(ヴァロム様とコータロー様はこのままだと……明後日の朝、処刑されてしまう。私の命を救ってくれた2人の恩人が殺されてしまう……。本当に、このままでいいの? ……なぜかわからないけど、私達は間違った事をしているような気がしてならない……。確かに、ヴァロム様は、お父様と猊下の前で不敬な発言をされたわ。イシュマリアとイシュラナを侮辱するような発言を……。私も目の前で見ていたから、それは知っている。でも、ヴァロム様は何の理由も無しに、そんな事をするお方ではないわ。何か理由があるのよ……私達が知らない理由が……)
 フィオナは苦悩していた。
 先頭を歩くレヴァンは、そんなフィオナの表情を見て、立ち止まった。
 レヴァンは言う。
「フィオナ様……お考え中のところ申し訳ございませんが、お話があります」
 2人は立ち止まる。
 フィオナは訊ねた。
「お話? 何でしょうか、レヴァン」
 レヴァンは周囲を気にしながら、フィオナに耳打ちをした。
「……あまり大きな声では言えないのですが、あの者達を牢から救い出す方法がありますよ。上手くいけば、誰も捕まることなく、彼らを逃がす事ができるでしょう」
 レヴァンの言葉を聞き、フィオナは大きく目を見開いた。
「馬鹿な、そんな事できる筈……」
「できます。フィオナ様とルッシラ殿……そして私だけで。とはいえ、明日でなければ無理ですが……」
 フィオナはそこでルッシラを見た。
 ルッシラはそんなフィオナを見て、首を傾げる。
「どうされました、フィオナ様」
「ルッシラ……」
 フィオナはどうしようか悩んだが、とりあえず、話を聞いてみようと考えた。
「レヴァン、聞かせてください」
「では、場所を変えましょう」――


   [X]


 投獄されて7日経った。明日はとうとう、処刑の日である。
 ヴァロムさんは相変わらず、牢内で瞑想中であった。投獄されてからという
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