Lv55 怒涛の羊たちの沈黙
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の弟子だというのは、本当ですか?」
「ええ、本当です……そして、ヴァロムさんの指示を受けて動いていたのも事実です。すいません、黙っていて……」
俺は2人に頭を下げた。
「そうだったのですか。ただの魔法使いではないと思ってましたが……これで謎が解けました」
続いてウォーレンさんが話しかけてきた。
「コータロー……アーシャ様やイメリア様は、この事を知っていたのか?」
俺は頭を振る。
「いえ、彼女達は知りませんよ。無関係です。俺が単独で動いていた事ですから……。レイスさんやシェーラさん、それからラティもね。しかし、色々と利用はさせてもらいました。そういう意味では……彼女達には迷惑をかけたかもしれません」
「そうか。しかし……なぜだ、なぜなんだ! お前は俺達に色々と協力してくれた。ゼーレ洞窟では、このイシュマリアを救うほどの活躍をしてくれた。そんなお前が、異端者として捕まるだなんて……。俺にはもう、何が何だかわからなくなってきたよ」
ウォーレンさんはそう言って項垂れた。
「俺もです……何が何だか……」
アヴェル王子も同様であった。
この場に重苦しい空気が流れる。
俺は話題を変える事にした。
「なんだか湿っぽくなっちゃいましたね……。あ、そうだ。前からウォーレンさんに聞きたかったことがあったんですよ」
「聞きたい事? なんだ一体?」
「ミロン君の事です。ミロン君のお父さんとウォーレンさんは、どういう関係だったのですか?」
「ああ、その事か……。ミロンの父親は俺の師だった人さ。だが、今から2年前……魔物との戦闘で命を落としてしまってな。まぁそんなわけで俺が、当時10歳でまだ幼かったミロンを、弟子として預かることにしたんだよ」
ウォーレンさんはそう言って、大きく息を吐いた。
昔を思い出したのだろう。
「そうだったんですか……。10歳という事は、その報告を聞いてミロン君はさぞや悲しんだでしょうね」
「まぁな。でも、ミロンもその場にいたんだぞ」
「え? ……その場にいたんですか?」
「そりゃそうだ。ミロンは父親に師事してたんだから」
「……なら、相当辛かったでしょうね」
「まぁそれはな……。だが、幸か不幸か、ミロンも意識不明の重体だったから、それを知ったのは少し後だったがな……」
「そうだったのですか。ミロン君も大変だったんですね……」
そして、また暗い雰囲気が漂い始めるのであった。
(……話題変えた意味が全くないな……余計に暗い雰囲気になってしまった。もう一回、話題変えよう……)
「ところで、魚の方はどうでした? 誰か知っている人はいましたか?」
「え? あ、ああ、その事か……。お前の言う通り、知ってる者はいたよ。責任者が知っていた。金で懐柔されていたから、簡単には口を割らなかったがな」
「
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