Lv54 老賢者との再会
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このホールは、騎士や魔導師達の憩いの場なのだろう。
俺達は、そんなホール内のど真ん中を進んでゆく。
するとその直後、至る所から激励の言葉が、こちらに向かって飛んできたのである。
【お勤めご苦労様でございます、ヴァリアス将軍】
周囲に目を向けると、この場にいる全員が、ヴァリアス将軍に頭を垂れていた。
やはり、将軍なだけある。この様子を見る限り、かなり人望が厚いのだろう。
と、その時であった。
良く知る声が、どこかから聞こえてきたのである。
「ヴァリアス将軍、お勤めご苦労様でございます」
「お勤めご苦労様でございます、ヴァリアス将軍」
声の主は、やはり、ウォーレンさんとミロン君であった。
「ああ、そなた達か」
ヴァリアス将軍はそこで立ち止まった。
それと共に、ラサムと俺も立ち止まる。
2人はこちらへとやって来た。
ウォーレンさんは俺の方をチラ見した後、ヴァリアス将軍に話しかけた。
「この者が、何かやらかしたのでございますかな?」
フードを深く被っているので、俺とわからないのだろう。
ウォーレンさんはそこで、まじまじと俺を見る。
と、その直後、ウォーレンさんは目を大きく見開き、声を震わせながら、恐る恐る、俺の名を口にしたのであった。
「コ、コータロー……な、なんで、お前がここに……なんで……」
「知り合いか、ウォーレン?」と、ヴァリアス将軍。
「ええ……この間、私が報告した……調査の協力者です」
「何ッ!? この者がか!?」
ヴァリアス将軍は驚きの声を上げ、そこで俺のフードを捲った。
「やはり……コータロー」
「コータローさん……」
「……」
俺は猿轡をされている為、話すことはできない。目を逸らす事しかできなかった。
できれば2人にこんな姿を見せたくなかったが、こうなった以上は仕方ない、諦めよう。
「ウォーレン、この者で間違いないか?」
「……ええ。い……一体……何をしたのですか?」
「この者は、ヴァロム様の使者……つまり……異端者である」
「異端者……コータローが……」
「コータローさんが、ヴァロム様の使者……」
ウォーレンさんとミロン君は、この突然の展開についていけないのか、明らかに狼狽していた。
無理もない。俺もだからだ。
「そういうことだ。よって……これより、この者を地下牢に投獄する。2人には聞きたい事がある。後で、私の職務室に来てもらおうか」
「は、はい……」
ウォーレンさんは力ない返事をした。
「では行くぞ、ラサム」
ラサムという魔導騎士は俺をグイッと引く。
「さぁ来るんだ、異端者よ」
「……」
そして俺達は移動を再開したのである。
ホールを抜けた後、俺は2人に連れられ、階段を幾つも降りて行く。
程なく
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